用語の知識



■ 国際標準化と世界貿易機関


 世界貿易機関(WTO)は”世界貿易機関を設立するマラケシュ協定”にて、その設立と権限、任務、構成等を規定されている。国際標準化に関わる規定は、マラケシュ協定・附属書1−Aに含まれる”貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)”と、附属書4に含まれる”政府調達に関する協定(政府調達協定)”の2つである。

(1) WTOの基本原則
【@最恵国待遇原則】
 いずれかの国の産品に与える最も有利な待遇を、他の全ての締結国の同種の産品
 に対して、即時かつ無条件に与えること
【A内国民待遇原則】
 輸入品に対して適用される内国税や国内法令について、同種の国内産品に対して
 与える待遇より不利でない待遇を与えること
【B数量制限の一般的廃止の原則】(検討範囲外)
【C合法的な国内産業保護手段としての関税に係る原則】(検討範囲外)

 国際標準に関しては、上記@、Aに関する原則を”ルール指向型基準”に則り遵守することが必要である

(2)加盟国の果たすべき義務
  (TBT協定) 
  • 加盟国は、国内標準が国際標準と整合が取れるように確保すると共に、利用しうる妥当な措置を取る義務がある。(第2条4項、第4条1項、”適正実施基準”)
  • 加盟国は、既設または策定中の強制規格に関する国際標準の立案に対して、その能力の範囲内で十分の役割を果たす義務がある。(第2条6項)
 (政府調達協定)
  • 加盟国は、政府調達に関し国際規格が存在するときは当該国際規格に基づいた仕様とする義務がある。(第6条2項)   
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 紛争発生時に上記義務を果たしていることを国際的に対抗すべく、政府の標準担当部門にて国内制度を整備している。

(3) 紛争解決手続きの流れと最近の動向
 紛争解決手続きは、”紛争解決に係わる規則及び手続きに関する了解(DSU)”に則って行われる。その流れを図に示すと次のようになる。

 →紛争解決手続きの流れはこちら



<参考 WTOにおける国際標準と政府調達>



(1)世界貿易機関を設立するマラケシュ協定
  貿易の技術的障害に関する協定
  政府調達に関する協定
(2)貿易の技術的障害に関する協定
  第二条 強制規格の中央政府に関する立案、制定及び適用

2.4 加盟国は、強制規格を必要とする場合において、関連する国際規格が存在するとき又はその仕上がりが目前であるときは、当該国際規格又はその関連部分を強制規格の基礎として用いる。ただし、気候上の又は地理的な基本的要因、基本的な技術上の問題等の理由により、当該国際規格又はその関連部分が、追求される正当な目的を達成する方法として効果的でなく又は適当でない場合は、この限りではない。

2.6 加盟国は、強制規格について出来る限り広い範囲にわたる調和を図るため、自国が強制規格を制定しており又は制定しようとしている産品についての国際規格を適当な国際標準化機関が立案する場合は、能力の範囲内で十分な役割を果たすものとする。
  第四条 任意規格の立案、制定及び適用                   
4.1 加盟国は、中央政府標準化機関が付属書三の任意規格の立案、制定及び適用のための適正実施基準(この協定において「適正実施基準」という。)を受け入れかつ遵守することを確保する。 加盟国は、自国の領域内の地方政府標準化機関及び非政府標準化機関並びに加盟国又は自国の領域内の一若しくは二以上の機関が構成員である地方標準化機関が適正実施基準を受け入れかつ遵守することを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。
(注:適正実施基準には、第二条2.4、2.6と同等の内容が規定されている。)
(3)政府調達に関する協定
  第六条 技術仕様
6.2 機関は、技術仕様については、適当な場合は、(a)デザイン又は記述的に示された特性よりも性能に着目して、また、(b)国際規格が存在するときは当該国際規格、国際規格が存在しないときは国内強制規格、認められた国内任意規格又は建築基準に基づいて定める。

          



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