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eSafety

1)背景

eSafetyイニシアティブは欧州委員会(EC)主催のeSafety作業グループにより、欧州自動車工業会ACEAを中心メンバーとして2002年4月に発足した。2010年までに道路死亡事故を半減することを目標とし、道路安全の向上とアクティブ・パッシブセーフティ技術等のITS導入推進という名目の下、28項目のアクションプラン(事故データ収集、標準規格・認証方式の作成、地図データベース、緊急通報インフラなど)によって統合的なアプローチを推進している。

 eSafetyの28のアクションプランを適切に遂行するため、参加者によるeSafetyフォーラムも設立された。eSafetyは、eCall、RTTI、RTDなどのWGや、全体調整を行うeSCOPE等のグループによって運営されている。eSafety計画の推進と進捗管理を目的とし、eSafetyの最新情報を提供するウェブサイト(eScope URL: http://www.escope.info/)もオープンした。ユーザー側からイベントや最新ニュースなどの情報提供もできる。2006年1月にはeSafety支援のためのWGも設立された。FP6の第4次募集では、車車間・路車間通信プロジェクト22件に9170万ユーロが配分されている。


   EUのe-safetyロードマップ

 2003年11月に行われたeSafety総会において、ECの企業・情報社会担当委員の
   Erki Liikanenにより発表された。運輸白書で示された死亡者数半減から更に
   踏み込み、死亡者数ゼロを打ち出している。


       2004 − 全車にアンチロックブレーキを搭載

 2005 − エレクトロニックスタビリティ技術を配備、事故数を15%削減

 2006 − eCallを配備

 2007 − 衝突警告・軽減システムの初期段階

 2008 − セーフスピード技術を配備

 2010 − 死亡者数50%削減

 2020 − 死亡者数ゼロに向け動く


※出典:eSafetysupportホームページ

2) eCall

 
 eSafetyの中心となるのが、事故発生後に自動的に通報するeCallシステムである。eCallは衝突発生の際にエアバッグや転倒センサーなど車載装置で事故を検知、車両位置などのメッセージを自動的に緊急サービス組織に送信するシステムで、ドライバーによるマニュアル起動も可能である。欧州緊急通報電話番号112を改良し、携帯電話通報者の位置を特定できるE112のシステムをベースとしている。普及すれば、通信システムと位置確認システムの自動車への標準装備化が一気に加速されることが期待される。

eCallの汎欧州配備により、交通事故死亡者数5パーセント削減、重傷者の10パーセントが軽傷者カテゴリに移行、などの効果が期待できる。2005年2月、ECとEU加盟国、欧州議会は2006年の実地試験、2009年のシステム配備等のスケジュールを決定した。eCall配備に向け、ErticoとECは業界のサービス実施を取り付けるためMoU(覚書)を推進、これまでに23の官民団体が署名している。


※出典:eSafetysupportホームページ

3) その他FP6内のeSafety関連プロジェクト

@ 第1次募集プロジェクトの例

・AIDE (自律・統合型のドライバー/車両インタフェース)
 ノマディック(携帯)デバイスの統合など、自律的かつ統合的なドライバー・車両インタフェースの開発に取り組む。

・GST (安全なオンラインサービスを提供するグローバルテレマティクスシステム)
 2004年にスタートした予算2150万ユーロのプロジェクトで、アーキテクチャ標準と標準インタフェースをオープンにし、車載テレマティクスの配備推進を目指している。ITS Europeは、GSTプロジェクトの仕様書をベースに車載テレマティクスサービスプロバイダのコンペを行い、入賞者をロンドンITS世界会議で発表する。GSTはドイツ、スウェーデン、フランス、イタリアに自動車メーカーによるデモサイトが設けられ、GST仕様書への適合の他、安全性向上やビジネスインパクトについても検証する。

・HUMANIST (情報社会技術における人間中心設計)
 道路テレマティクスと高度ドライバー支援システムを中心とし、人間中心の設計を取り入れた情報社会技術を道路輸送に応用する。

・PREVENT (予防・アクティブセーフティアプリケーション)
 2004年2月発足のプロジェクトで、主要な欧州自動車メーカー、先進的自動車技術研究機関などのパートナー50団体を統合、予算総額5500万ユーロで安全な道路交通環境の実現を目指す。

・EASIS (統合安全システムのための電子アーキテクチャ・システム工学)
 2004年1月にスタートしたECの3年プロジェクト。プロセスやツール、安全問題重視など長期的な展望を持つ。

A 第4次募集プロジェクトの例

・CVIS(路車協調システム)
 中・長距離連続通信エアインタフェース(Calm)プロジェクトと連携して進められている、ECの路車協調システム新プロジェクトで、。Calmは各車両システムのアプリケーションに最も適したインタフェースを自動的に選出するインタフェースの開発に取り組んでおり、車車間・路車間通信用にマルチメディア対応のオープンソフトウェアを提供する予定である。

・Coopers
 新たな路車間通信インフラのソリューションを開発し、車車間通信システムとのインテグレーションを目指す。総合的な協調システムを構築し、道路の安全性向上のニーズに対応する。

B その他のeSafety関連施策

・ブラックボックス 
 2009年までに新車を対象とするブラックボックス設置義務付けが検討されている。事故防止に効果があることが認められれば、2009年までに導入し、設置費用については設置車両のドライバーの保険料を安くするなど費用軽減を図る。

・短距離レーダー
 2005年1月のTRB(輸送調査委員会)年次総会で、EC情報社会総局は、今後の取り組みとして24GHz短距離レーダーを挙げ、2005年半ばまでに衝突危険検知や自動ブレーキ作動などを利用可能にすべきである、との見解を示した。ECは自動車安全システム用の24GHzレーダースペクトラムの割り当てに合意しているが、2013年には全車両の7パーセントにレーダーシステムが装着され、短距離レーダー市場が飽和状態になることが想定されるため、2013年からはeSafetyシステムを79GHzに移行するよう求めていく方針である。

・ISA(インテリジェントスピードアダプテーション)
 スウェーデン道路局(SRA)は制限速度を超過した車両に警告を送るインテリジェントスピードアダプテーション(ISA)の普及促進のため、SRA所轄の車両150台を対象に速度警告装置の設置を行っている。また、SRAは、ISAシステムサプライヤへの提供を目的とし、スウェーデン国内の全道路の制限速度を搭載したデジタル地図データベースの開発も進めている。ISAはECのeSafety計画の一環としてProsperやSpeedAlertプロジェクト下で支援を受けている。

C グローバルeSafety計画
 eSafetyは、ITSを安全性向上に活用しようという世界的な潮流の下、米国や日本を含むアジアでも認識されつつある。欧州委員会と米運輸省はサンフランシスコITS世界会議開催中、グローバルeSafety計画を正式に発表した。日本と韓国も参加を検討している。既に車車間・路車間通信の国際ワークショップも設立されており、高度安全システムの国際標準化が図られる。欧州のeSafetyはErticoITS Europeと欧州委員会、ACEA(欧州自動車メーカー団体)が主導、米国では運輸省とITS AmericaがVIIをサポートする形で行われている。ITS AmericaとErtico,ITS Japanは今後、2006年ロンドンITS世界会議のグローバルeSafety活動について協議する。

                                                

※出典:FP6ホームページ


4) 道路安全行動計画


 2003年、ECのエネルギー・輸送総局(DG Tren)は2003−2010年の道路安全行動プログラム「欧州道路安全憲章」(European Road Safety Charter)を発表した。欧州自動車工業会(ACEA)及びErtico ITS Europe率いるeSafetyプログラムとの関連を強化し、政策協調と新プロジェクト支援のため、輸送企業、自動車メーカー、部品メーカー、保険会社、インフラ運営団体、地方自治体等、広く関係者の批准を要請する。DG Trenは2010年までに道路交通の死亡事故半減を目指している。行動計画に記された項目には、視界改良システム、タイヤ状態自動監視、ドライバー渉外検知システム、インテリジェントスピードアダプテーションなどのアクティブセーフティシステムや、今後詳細が明らかになるeSafety関連の電子技術などがある。参加者は明確な目標を設定し、公表するよう求められている。

※出典:EUホームページ


5) i2010高度車両イニシアティブ

 2005年9月、フランクフルトモーターショーで、ECの情報社会担当のレディング委員により、i2010インテリジェント・カー計画が発表された。高度通信技術を用いた車載システム、協調システム(アダプティブクルーズコントロールや車線逸脱警告、eCall自動位置通知緊急サービス等)により、道路輸送の安全と道路環境の改善を目指す。 


※出典:EUホームページ


 
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