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■ベトナムの高速道路建設計画およびETC導入の現状

1)高速道路マスタープラン

ベトナムの国土は、南北に2,000kmにわたって細長く伸びている。二大都市圏であるホーチミン市とハノイ市は、それぞれの都市人口が500万人、300万人あり、この2大都市を結ぶ南北高速道路の早期建設が望まれている。2007年には、安倍前総理も、ベトナムへの経済協力3案件の1つとして、南北高速道路建設への協力を約束している。

 現在のベトナムでは、ハノイ近郊の一部区間(約60km)を除いて、供用済み高速道路はまだ存在していない。そこでベトナム政府は、MOT(Ministry of Transport)が主導して、全国高速道路網整備計画(マスタープラン)を作成した。当マスタープランでは、20区間5,873kmの全国高速道路網の整備を謳っており、2020年までに2,775kmの建設を予定している。南北高速道路建設も、これに含まれている。このような背景の下、MOTは2005年に高速道路建設における担当組織VEC(Vietnam Expressway Corporation)を立ち上げ、本格的な高速道路網整備に乗り出した。


2) 高速道路建設の現状


 実際の高速道路建設は、円借款を始め、世界銀行(WB)、アジア開発銀行(ADB)、自国政府資金、BOT資金調達等、多様な資金源により実施される予定で、適用される技術基準や管理・運営方針についての一貫した制度・仕組みが定められていないのが現状である。かかる事情を背景に、MOTでは資金調達、道路管理・運営、ITSに関わる専門家チームを立ち上げる予定であり、これら3分野に対する日本からの助言、支援について強い関心を示している。

現在進行中の主な高速道路建設計画は以下である。

1.ハノイーラオカイ(Ha Noi - Lao Cai)
 ハノイ郊外のノイバイと国境のラオカイを結ぶ、4車線〜6車線/延長264kmの高速道路。中国・雲南省昆明から北部のハイフォン市をつなぐ経済海路の一部となる。VECが事業主体となり、ADB資金にて実施が予定されている。2010年の完工予定で、現在、詳細設計がほぼ完了している。

2.ダナンーカンガイ(Da Nang - Quang Ngai)
 ベトナム中部のダナンとカンガイ地区を結ぶ、4車線/延長131kmの高速道路。これから詳細設計がWB/JBIC資金で行われる予定となっている。ここでは、NEXCO中日本、NEXCO西日本及び日本工営が、ジェトロの受託業務の一環としてITS適用に向けた技術検討や維持管理の調査を行った。

3.ホーチミン・ロンターン・ゾーゼイ(HCMC - Long Thanh - Dau Giay)
 ホーチミン市東方のロンターン地区とゾーゼイ市を結ぶ、6車線〜8車線/延長55kmの高速道路。VECが事業主体となり、JBIC/ADB資金にて実施が予定されている。現在、詳細設計の実施段階である。


3)ETC導入の現状

ベトナムにおけるETCの導入状況は2008年3月現在、まだ限定的である。(ハノイ近郊のハイフォン市のビン橋に1箇所、ホーチミン近郊ではハノイ・ハイウェイなど2箇所)

すべてオーストリアのエフコン社が開発した赤外線方式ETCであり、現地のSI業者により導入された。車載器は65US$で販売されており、これまでハノイでは1,000台、ホーチミン市では20,000台の車載器がエフコン社より供給されている。

(ハイフォン市ビン橋でのETCゲート:2008年3月撮影)

 現時点ではベトナムにおけるETCの導入は限定的であるが、ベトナム政府は今後建設予定の高速道路への建設段階からのETC導入を視野に入れて検討を進めており、今後はETCの展開が本格化してゆくと思われる。

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