世界のITS

アジア・大洋州のトピック 
米国のトピック 
欧州のトピック 
日米欧ITS推進体制

第14回北京ITS世界会議報告(2007年12月掲載)

 第14回ITS世界会議が、2007年10月9日(火)から13日(土)まで、中国・北京にて開催された。この調査・成果報告会として、第2回日本ITS推進フォーラム(ITS Japan主催)の第2部「第14回ITS世界会議北京2007報告会」が11月9日(金)に開催され、関連団体から報告があった。本稿では、その一部概要を紹介する。

1) 総合報告

天野肇 氏 (ITS Japan)

 会議の開催内容、結果、および概観について報告された。 

 本会議では、2003年スペイン・マドリッドではeSafetyなど“安全”が、2006年イギリス・ロンドンでは地球温暖化を懸念し“環境”が 取りざたされたのを受け、経済発展と地球温暖化対策の 両立が主要テーマにあげられた。サブ テーマは、名古屋で提言した(安全・安心、環境・効率、 快適・利便)に、発展・拡大を加えた4つ がなっている。

 本会議の特徴としては、欧州PReVENTなどのインフラ協調等の実証実験が本格化しており、施行段階から実用検証への進展していることがあげられる。今後、現実味をました議論(インフラ整備、財源確保など)が活発になると思われる。

 開催国である中国政府は第11次五カ年計画で、湾岸地域でのETC導入、大規模イベントを契 機としてITS活用を推進することを明らかにしている。欧州はEC主導で経済戦略的に欧州標準を中国に強くPRしている。

欧州の中国連携プロジェクト

 日本はITS JapanがVICSの中国導入を支援しており、大連・北京でデモを実施した。日本企業 へ車載端末の調達依頼もあり、実用化に向かって軌道にのっているところである。本会議は、中国政府の協力な支援があり、盛会のうちに終了した。中国は今回の成功を受け、 ITS Chinaを年内に発足する予定である。


2) 日中ITSデモ

花房一夫 氏 (ITS Japan)

 ITS世界会議北京のショーケースの1つである実車デモ(TT-3)の日本のデモ内容および成果 についての報告、および中国のデモ内容について報告された。

 日本のデモは、北京組織委員会のデモ参加要請を受けてITS Japanが企画したもので、@前方障害情報提供、A静止画像提供、BグローバルETC(フリーフロー式ETC)の3種類が実施され た。11月10日(水)〜13日(土)まで4日間で約200名の来場者があり大変盛況であった。

 中国のデモは、交通部公路科学研究院(公路研)によるものと第一汽車集団公司によるものがあり、公路研は@レーンキーピング(磁気ネイル方式)、AWeight-in-Motion(自動車重計測)、 BGPS利用の速度警報、C前方障害物警報、Dインターネット接続の5種類が、第一汽車は@ 自動運転(カーブ走行後に加速)、A車間距離警報の2種類が実施された。

 今回の実車デモにより、日本のITSを世界に紹介しただけでなく、名古屋での経験を活かして中国組織委員会に貢献したこと、欧州勢がデモに参加しなかったことから日中のITS連携を世界にアピールできた。


3) 交通情報動向

沢田秀司 氏 ((財)道路交通情報通信システムセンタ)

 交通情報の収集系、提供系、技術の動向、および各国・地域ごと動向について報告された。

 収集系としては、インフラ整備への投資が少なくても収集ができる点で、アジア・アメリカ・欧州 問わず、プローブ情報の利活用への取り組みが多く見られる。提供系としては、従来のカーナビ に加え、PND等の簡易車載器への提供が急速に進むと思われる。しかし、セッションのなかに  は路上の電光掲示板への情報提供での渋滞緩和効果も報告されており、地域によって異なる。また、技術としては、FMからデジタル放送へ、DSRC実用化への積極的な取り組み、デジタル地図における部分的・短期間での地図更新が注目すべきである。


<中国の動向>
 2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博に向けて技術導入が各地で進んでいる。北京では、方式はFM多重(日本DARC、欧州RDS)で、カーナビ向けは自由競争状態でスタートとなる。上海では交通情報のインフォメーションプラットフォームに集約される。

<オーストラリア>
 大きな取り組みは見られない。

<韓国>
 端末普及が進んでいおり、多角的に交通情報提供が進んでいる。デジタル放送では韓国の方式を国際標準として規格化を推進している。

<アメリカ>
 近年加速敵に推進されている。特にVII安全が重視されている。

<欧州>
 中国をITS巨大マーケットと位置づけて積極的に活動している。(Dynusityなど)。次はデジタル放送とプローブカーがターゲットである。


4) 自動車安全動向(3極比較)

立松淳司 氏 (ITS Japan)

 インフラ協調、政策面での道路交通安全の日米欧の動向について報告された。

<日本の動向>
 自律型システムの多くが実用化され競争の段階に入った。政策面では、大型車への衝突被害軽減ブレーキの取り付けに対して装置価格の1/2補助を行うことがされている。インフラ協調型では、特に官民フィールドテストの1つであるスマートウェイ2007デモの成果が記憶に新しい。また、官民連携会議で3番目の新たなWGである大規模実証実験WGが2007年7月に設立された。2007年度は地域でのプレ実験を、2008年度には規模を拡大するとともに、合同実証実験の実施を目指す。

<米国の動向>
 今年になって安全に加え、交通渋滞・環境問題に手を打つ機運が高まっている。VIIのテーマが「安全・モビリティ・消費サービス」から「渋滞・安全・消費サービスに変わっているなど、交通渋滞がクローズアップされている。また、VIIロードマップでは、インフラ投資等に慎重姿勢を示した結果、当初2008年に予定していた実施展開の判断を2010年に先送りをした。

<欧州の動向>
 全体的には変わらないが、”i2010 Intelligent Car Initiative(ICI)”が力を発揮している。これはEuropean Information Society 2010の一環として提唱されたもので、eSafetyをベースに進められている。2007年9月には中間報告書が発表されたが、今後のアクションプランで、eCallの標準装備化(2010年)やESCの装着促進、FOTの施行(2008年)などが注目される。2007年9月には、PReVENTの開発プロジェクトの成果報告会である「IP PReVENT Exhibition」で、大型トラックの追突防止システムのデモも実施された。

 昨年度の報告会では、日本が一歩リードとしたが、欧州がリード役となる勢いであり、注目すべきである。


5) 車車間協調システム動向

関馨 氏 ((財)日本自動車研究会)

 
 車車間通信をめぐる国内外の状況、本会議での話題について報告された。

 日本は5.8GHz帯車々間通信ガイドライン(Ver1.0)が完成し、VHF/UHF帯における電波の割当も11月中には正式決定される見込みである。国外では、欧州がC2CCCコンソーシアムでマニフェストを発表し、ITS用に5.9GHz帯の獲得活動が行われている。これらを背景に、ISO TC204/WG16 CALMにおいて新たな作業項目が提案されたが、日本は国内標準化を優先して実証実験を進めるのに対し、欧州は国際標準化を進め、実証実験はこれからの様子である。 北京での主な話題としては“安全情報”のプロジェクトが注目される。

 SAFESOPTは危険地域の情報をマルチホップで周囲車両に提供し、情報提供領域を拡大するものであるが、まだ机上のレベルである。COM2REACT(欧州プロジェクト)は車々間通信を利用した局所的な協調交通管理システムで、ローカルなデータを共有する”車群”の考え方が特徴である。VSCA(VSCアプリケーション)はDOT資金のプロジェクト(2006年12月〜2009年11月)である。米国では、車車間から路車間に話題がシフトしていると思われる。

 また、システム評価についても多くの発表があった。路車協調システム評価のテストベッドとして、フランスやカリフォルニアなどがあげられた。日本でも統一的な効果評価、標準データの蓄積のためのテスト環境の整備が望まれる。

■ マレーシアのETC (2007年5月掲載)

1) 概要

 マレーシアでは1996年よりETC導入を開始、全高速道路にETCが設置されている。公共交通にも使用可能なICカード(Touch'n Go Card)を用いたシステムが導入されている。国内統一仕様のIR方式で、現在は全てTouch'n Go Cardにカード類が統一されている。このカードは都内バス、電車、空港エクスプレスでも利用可能である。2ピース型車載器にTouch'n Go Cardを差し込んでSmarTAG車線を通ればノンストップ(低速走行、バーあり)で通過できる。他にTouch'n Go Cardを利用したICカードのみで決済する車線もある。

料金ブース全体像

2) 利用例
  
 路側装置とTouch'n Go Cardによる決済方式と、車載器にカードを入れ、車載器と通信する方式とがある。
Touch'n Go Card
2ピース型の車載器とスマートカード

3) 今後の更新計画

 マレーシアのETC車載器(SmarTag)供給者のEfkonは、車載器15万台を追加供給する。マレーシアのETCはマルチレーンフリーフロー赤外線DSRCシステムで、今回の供給で車載器総数は75万台となる。Efkonはこの他高速ETC車線100車線新設契約も請け負っており、ETC車線は合計300車線となる見込みである。
 「ERTICO eNewsletter No.3 February9, 2007」
  http://www.efkon.com/index.pl/en_malaysia

■ シンガポールのETC (2007年5月掲載)
1) 概要

 シンガポールでは都心部への車の乗り入れ全てに課金するロードプライシングを実施しており、1998年に料金収受を電子化した。車載器搭載が義務付けられている。シンガポール陸上輸送局(LTA)は電子道路課金(ERP)のレートを交通量の変化に応じて調整、年4回見直しを行っている。高速道路と都市幹線道路の速度範囲をそれぞれ時速45-65km、時速20-30kmに保つのが目標である。

料金ブース全体像

2) 利用例
バイクに取り付けた車載器
非接触ICカード

3) 今後の更新計画

 アジア都市へのロードプライシング、スマートカード技術導入を目的とし、三菱重工業と三菱商事、とシンガポールの陸上交通局(LTA)がジョイントベンチャー(MSI Global Ote)を設立した。年間売上げ100億円を見込んでいる。GPSを使った次世代システムとし、公共交通に使えるスマートカード方式を採用する。
 「The Intelligent Highway Volume17 Issue9 May1, 2006」(P5)

■ オーストラリアのITS (2006年6月掲載)

1) 政策

 オーストラリアでは1999年12月、ITSの主要施策としてe-Transport戦略が政府に承認された。オーストラリア運輸大臣理事会(ATC)の意向に基づき、オーストリア道路輸送・交通当局(Austroads)がITS Australiaに作成させたもので、オーストラリアのITSの方向性を位置づけている。既に各地で実施されていたITSアプリケーションを更に推進し、国際的なITSプロジェクトに参画する方向が示されている。

 また、2004年中頃にオーストラリアの主要道路・鉄道システムのための新しい基金プラン(AusLink)が発表された。AusLinkの下で連邦政府は道路と鉄道を統合したインターモーダル・サービスを改善する必要性を認識し、幅広い戦略コリダーネットワークの実現を公約している。

2) 推進体制・州の取り組み


@ 概要

  オーストラリアのITSは、国家組織としてITS Australiaを擁し、官民の取り組みをとりまとめているが、クィーンズランド州やサウスウェールズ州など、ITS配備に積極的な州主導の特徴が見られる。1992年、ITSの主な関係者が中心となり、ITS開発推進団体としてIntelligent Vehicle Highway Systems Australia(現在のITS Australia)が設立された。現在、ITS Australiaは連邦政府、州政府、ドライバー関連組織、研究組織、民間企業など様々な関係者の参画する統合的な組織として、ITSの普及促進およびITSの統合的アプローチ推進に取り組んでいる。2005年9月にはITS Australiaが主導するオーストラリア国立ITSセンターがオープン、地域ITS研究プログラムの交流等の他、インターオペラビリティや標準化も含めたITS研究開発活動の調整、研究方針や政府予算の方向性の提言などを行う予定である。

  また、ITS標準化を担当するStandards Australia(オーストラリアの標準化組織)は、ITS標準化委員会を立ち上げ、ISO TC204に参加する一方で、ISO以外のITS標準開発に取り組んでいる。

  政府側としては、AustroadsがITS AustraliaやStandards Australiaを支援する立場にあり、連邦政府、州政府、自治体の代表者で構成される運輸理事会(ATC)や、関連輸送当局の高官で構成される輸送常設委員会にITSに関する助言や推奨を行っている。


※出典:Traffic Technology International June/July 2005
A各州の取り組み

 ・サウスウェールズ州
  シドニー中心部を運行するバスLPT(リバプール-パラマッタバス路線)では、安全で効率的かつ環境に良好なITSによるバス運行システムを構築し、2004年10月から完全運用に入る。このシステムは、バスにトランスポンダーを搭載し、誘導ループによる車両位置情報の把握により、交差点28ヵ所の信号機を調整して、バスの信号待ち時間を減らすSCATS(Sydney Coordinated Adaptive Traffic System)を始め、車載スマートカード方式自動料金徴収(AFC)を導入している。今後誘導ループシステムからGPSベースの自動車両位置確認方式への改良も検討中である。

  また、シドニーでは既にマイクロ波DSRC自動料金収受システムが都市高速道路やトンネル等で利用されており、道路利用者課金の導入可能性も検討されている。「オフピーク通勤を推進するシステムとしてe-tollingは重要だが、公共交通の利用促進などと合わせて検討する」と、シドニー市長クローバー・ムーアは述べている。

 
 ・クイーンズランド州

  アジア太平洋のバイオ、IT、ナノテク、通信技術の中心になることを目指しているが、高度交通システム(ITS)についても、あらゆる交通機関のITSの潜在的可能性を最大限に利用するという大胆な発想で臨んでいる。グレートバリアリーフ保護のために世界でも珍しい船舶出航申告義務制度を設けている。陸上交通では重量車のインテリジェント・スピード・アダプテーション(ISA)と衝突事故自動通報(CAN)システムが研究中であり、警察官が車両登録・運転免許情報にリアルタイムでアクセスできるMINDAシステムは順調に導入されている。
 
 ・ヴィクトリア州

  道路輸送テレマティクスの推進のため、政府予算10万オーストラリアドルを投じて業界団体ヴィクトリアITSネットワーク(ITSVIC)を設置する。ITSVICはメルボルンに建設予定の全国ITSセンターと連携する。

※出典:The Intelligent Highway Volume16 Issue23 December1, 2005

The Intelligent Highway Volume16 Issue7 April1, 2005

3) 自動料金収受システム

 オーストラリアのETCは、メルボルン、シドニー、ブリスベン等で展開されており、マイクロ波DSRCシステムが普及している。特にメルボルンのCityLinkはマルチレーン、ノンストップの完全ETCで、タグ(e-Tag)を装着しない車両は事前登録と料金支払いを必要とする。メルボルン近郊のミッチャム−フランクストン自動料金収受フリーウェイでも、シティリンクと互換性のあるETCシステムのオープンを2008年に予定している。

 シドニーでは、シドニーハーバーブリッジ、シドニーハーバートンネル等でETC(E-Toll)が展開されている。シドニーでは州が管理するこれらのインフラ以外に、民間業者の管轄下にある有料道路でも同じETCシステムを利用できる。完全ETCではなく、マニュアル方式と併用している。シドニーでは今後、新規オープンの有料道路全てが自動料金収受になる見込みである(Traffic Technology International June/July 2005)。2005年12月16日、オーストラリア初の完全ETC・距離別課金システムを装備したWestlinkのM7(40キロメートル区間)が開通した。AusLink下で、連邦政府および民間企業の資本を投入し、13億ドルをかけて完成した。

 クィーンズランド州では、Queensland Motorwaysがゲートウェイ・ブリッジ有料道路の現金支払い方式を段階的に終了し、2011年までに第2ブリッジのオープンに合わせて完全自動料金収受システムを実施する予定である。システムはメルボルンシティリンクのETCシステムと互換性のあるシステムとなる。


4) スマートインテリジェント車両トライアル

 @概要

 2004年初めに予定されていたSmart Demo展示・デモンストレーション(高度ドライバー支援システム)の日程は2005年9月29-30日に延期された。自動運転、センサーシステム、緊急サービス、車車間通信、高度インフラなどのデモがアデレードで実施され、欧米・日本から約300名の参加者を集め、特殊車輌やシミュレータなど30種類以上のデモが行われた。次回Smart Demoは第5回アジア太平洋経済協力閣僚会議の運輸大臣会議に合わせ、2007年3月28-31日にアデレードでの開催を予定している。

 Aデモの内容

・  Boschの電子安定制御(ESP)プログラム−車線逸脱防止
・  HoldenとIntelematicsの車載テレマティクス−自動衝突通報、車からの自宅エアコン電源入れ操作等

・  Ford TAC SafeCarデモ−GPSアンテナをもとに制限速度を自動的に維持するインテリジェントスピード
  アダプテーション

・  Road Angel新車載技術−通学エリアや橋の高さなど、ドライバーへの道路安全情報アドバイス
・  車線逸脱警告−疲労あるいは注意散漫なドライバーに対する車線逸脱警告
・  ハイテクトラック−事故減少のための最新アクティブセーフティシステム
・  DriveCam−事故状況を自動記録するデジタルビデオ記録システム

・  高度インフラ技術−スピードオーバー警告、交通・気象情報提供


5) IAP
 商用車追跡システム(インテリジェントアクセスプログラム:IAP)プロジェクトが実用化に向けて動いている。IAPは衛星テレマティクスサービスを利用した貨物車両遠隔監視の任意システムの実施と、そのシステム規定に準じた運行管理を目的とする。2003年5月23日、オーストラリア輸送協議会(ATC)がIAPのフィージビリティ評価プロジェクトの成果を支持、オーストラリアとニュージーランドの交通輸送組織団体であるAustroadsのメンバー組織(ニュージーランドは除く)、Queensland Transport、全国輸送委員会(NTC)により運営委員会が設立された。実用化の第一フェーズで危険物搭載車両、超重量車両などを対象とする経路確認、貨物委託証明、速度規制、セキュリティ目的でのドライバー確認、車両の有効活用などが行われている。また第一フェーズの一環として、ARRB Transport ResearchとRapp TransはAustroadsからオースラトリアインテリジェントアクセスプログラム(IAP)契約を共同受注した。トラックの運行状況が規定に準拠しているか監視するため、GPSとモバイル通信リンクを組み合わせた監視用の車載器の要件策定が行われる。

6) SCATS

 海外にも導入事例があり、交通管理システムとして広く国内に普及しているのがアダプティブ交通管理システム(SCATS)であり、主要都市・町のほぼ全てに配備されている。ニューサウスウェールズの道路当局が開発したシステムで、シドニーとメルボルンではそれぞれ2000以上の交通信号がSCATSにより管理されている。


7) 国際協力

 ITS Australiaとニュージーランドの連携は強く、ITS Australiaの国家ITS戦略を作成したAustroadsの会長は、Transit New Zealand最高経営責任者のロビン・ダンロップが勤めている。また、オーストラリアはEUとガリレオプログラムに関する協力契約を結んでいる。



■ インドのETC  
(2005年11月18日掲載)

Norida Toll Bridge(2001.2供用 デリー近郊)
 BOT方式による大規模なプロジェクトで、8車線(28の料金レーン)を擁する。現金・クレジットカード・デビットカード・ETCによる料金支払いが可能で、ETCの場合、タグをフロントガラスに貼り付け、料金ブースの105メートル手前で赤外線方式による認証を行い、時速30キロメートルでのノンストップ自動料金収受を許可する。

料金ブース全体像
各料金ブース

※出典:HIDO

 バンコクの交通事情 (2005年11月18日掲載)


1) MRT (MASS RAPID TRANSIT:2004年7月開通)


 路線は現在20kmが供用中で、建設中の3路線が完成すると94kmになる。運行時間は6時〜24時で、ラッシュ時は4分間隔、通常時は7分間隔で運行している。乗車には、コイン型のトークン(オセロの黒駒)もしくはMRTカード(ICカード)を購入する。MRTカードは50Bのデポジットを支払い購入、料金のチャージも可能である。改札では、トークンもしくはMRTカードを非接触リーダーライターにかざして入場する(料金は14B〜36B)。 

        MRT改札                改札リーダ&ライタ部
    
コイン型トークン

2) BTS(Bankok Mass Transit System)


バンコクの市内の高架鉄道で1999年に完成し、23.5kmが営業中である。パスネットのようなカードを購入し、自動改札に通し乗車する。料金は10B〜40Bである。

バンコクの大量輸送交通(TRB)
自動改札

3) 高速道路

 タイの高速道路は現在331kmが供用中である。最近は有料の高速道路を利用する者が減少し、渋滞は余り発生していない模様である。空港までの高速道路で期間限定で無料開放されている区間があり、一般道路の自動車交通の高速道路への誘導を図るなどの工夫も見られる。料金はタイヤの数により設定されており、写真では4輪で20バーツ、6輪で50バーツと表示されている。また、自動料金収受システムを導入しているが、現在(2005年6月)はシステム改良のため運用されていない。


       料金所ゲート            料金表示
  
※出典:HIDO

■ 中国のITSの現況  (2004年9月10日掲載)

1) 都市の課題
 
中国主要都市では急速な都市化と自動車の増加、それに伴う渋滞悪化が起きており、適切な輸送政策を確立するだけでなく、効果的な交通管理手段実施へのニーズが高まっている。中国では高度道路交通システムがバスなどの都市・地域輸送の効率性向上の潜在的なツールとして考えられているが、輸送専門家や市長のほとんどはITSという言葉を認識してはいるが、高度技術をどのようにして入手するかという詳細な知識はまだ普及していない。ITSの認知度は上がっているが、応用面の理解が浅く、従来の交通インフラとの違いがよく理解されておらず、導入が非効率的、調達制度が不透明、設備メンテナンスがなおざりにされるといった課題が残されている。


2) ITSアプリケーション
 
 中国では特にITSのプラットフォームとして自動料金収受(ETC)と都市交通管理(UTC)の導入が優先されているが、大都市のモータリゼーションに伴う交通問題の緩和策としてはあまり期待されておらず、ETCは高速道路開発の採算性を改善して民間投資を呼び込む役割に比重がかかっている。ITSの主要アプリケーションで中国に既に配備されているものは、自動料金収受、高速道路事故管理・監視システム、都市交通制御(UTC)システム、電子チケット、運転免許、その他アプリケーションを目的としたスマートカード、自動車両位置検知(AVL)を用いた高度公共輸送システム(APTS)、取締システム(速度カメラ、赤信号カメラ)などである。2008年の北京オリンピックでは、交通システム管理を支援するためにITSが利用される予定である。

3) ITS普及促進

 ITS推進の原動力になっているのは、主要都市における急速な都会化によるUTCと交通取締システムへの需要と2010年までの総長3万500キロメートルの国家幹線ハイウェイシステム(NTHS)建設である。2002年末には1万9000キロメートルが完成したと報じられている。国家政策としては、都市間・都市高速道路を全て有料とする方針が上がっている。中国全土で中国企業・国際企業が活動し、地方政府や高速道路会社、バス会社等にオープン市場でのITS製品の購入を奨励している。中国の世界貿易機関(WTO)加盟によって、国際活動や外国投資、地元企業の機能開発が奨励されている。ITSはビジネスチャンスとして捉えられ、多数の企業が設立された。北京や上海のようにマルチモーダルスマートカードシステム開発に取り組む都市ではこれらの企業が主要ITSアプリケーション開発の引受先となっている。

4) 国際協調

 欧州と中国の産業をワークショップやセミナーを通じて交流させ、欧州のITSソリューションと中国のプロジェクトの関連を明らかにしようとしたBITSプロジェクト(2003年終了)に見られるように、中国は欧州とITS分野で連携を図っている。大規模なプロジェクトとしては欧州のガリレオ衛星システムが挙げられる。ガリレオには中国の他インドも参加を表明しており、イスラエルも参加に合意している。中国はこの他、ドイツとイギリスともITS分野で協力関係にある。


出展;
「Smart Urban Transport Volume2 No.3 November 2003」発行:Smart Urban Transport Publishing Services Australia Pty Ltd
「Traffc Technology International December 2003/January 2004」発行:U.S Department of Transportation Federal Highway Administrat

現在のトピック




Copyright (C) 2004 財団法人 道路新産業開発機構 All Rights Reserved.