■国際標準化機構「ISO」



(1) ISO

 ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)は、電気分野を除くあらゆる分野において、国際的に通用させる規格や標準類を制定するための国際機関として1947年に発足した。


1.International Organization for Standardization

目的 : ・物質及びサービスの国際交換の容易化
・知的、科学的、技術的及び経済的活動分野の国際間協力の助長
位置づけ : ・全世界的な非政府間機構(国際連合および関連のある国連機関及び国連専門機関での諮問的地位)
WTO/TBT協定による国家規格への引用


2.ISOへの参加

資格 : 各国ごとに代表的標準化機関1機関だけが参加可能
日本の参加 : 日本工業規格(JIS)の調査・審議を行っている日本工業標準調査会(JISC)が1952年に閣議決定を経て加入。


3.ISOの組織

参加国 : 138ヶ国
理事国 : 18カ国(日本は理事国)
技術委員会 : 187委員会


ISOの組織(2001年12月現在)




(2) 国際的標準化組織

 ISOと密接な関係を持つ機関としてIECがあり、電気工学と電子工学分野に関する標準化を行っている。両者は1976年に結ばれた協定により役割を分担している。
 また、CEN(欧州標準化委員会)はヨーロッパにおける電気工学、電子工学以外の分野の標準化組織である。ISOとCENの間では規格開発における相互の技術協力に関する協定(ウィーン協定)が結ばれている。


国際標準化体制








(3) ISO規格化の流れ

1.審議手順


規格化の流れ




2.投票手続き

 プロジェクトが次段階(ステージ)に進むには、TCへの参加国の投票により可決されることが必要であり、時間的な制約条件と合意(可決)の条件が定められている。

標準化手続きの条件

注:PWIの承認は、ISO/ICE専門業務用指針ではPメンバーの過半数の賛成により可能であるが、TC204の運用では、総会におけるコンセンサス(総意)を得ることが必要。



ISO標準化各段階の投票手続き

※Pメンバー:Participation member(積極参加メンバー)、Oメンバー:Observer(オブザーバー)
投票名称 投票メンバー 投票期間 備考
PWI投票
(予備段階)
Pメンバー Pメンバーの単純過半数
NP投票
(提案段階)
Pメンバー 3ヶ月以内 投票したPメンバーの単純過半数、かつ、Pメンバーの5以上の積極参加表明
CD投票
(委員会段階)
Pメンバー 3〜6ヶ月 コンセンサスを原則とするが、得られない場合はPメンバーの3分の2以上の賛成
5ヶ月投票
(照会段階)
全ての国代表 5ヶ月以内 Pメンバーによる投票の3分の2以上の賛成、かつ反対が投票総数の4分の1以下
2ヶ月投票
(承認段階)
全ての国代表 2ヶ月以内 Pメンバーによる投票の3分の2以上の賛成、かつ反対が投票総数の4分の1以下



3.ISO段階

 プロジェクトの進捗を体系的に管理することができるように、ISOの標準化手続きの主要な段階(ステージ)には番号がつけられている。一つのプロジェクトの段階は、そこで示された処置や決定が行われた時にその段階に達したものとして登録される。



ISO段階

段階 副 段 階
登録
00
主要処理の
開始
20
主要処理の
完了
60
決定
90
以前の段階の
繰り返し
92
現段階の
繰り返し
93
破棄
98
前進
99
予備段階
PWI
00
新プロジェクト
提案の受理
00.00
新プロジェクト
提案の見直し中
00.20
見直し要約
の回付
00.60


新プロジェクト
提案の破棄
00.98
新プロジェクト
提案を投票
することの
承認
00.99
提案段階
NP
10
新プロジェクト
提案の登録
10.00
新プロジェクト
の投票開始
10.20
投票結果
要約の回付
10.60
更に明確に
するため、
提案を
提出者に
返却
10.92

新プロジェクト
を否決
10.98
新プロジェクト
を承認
10.99
作成段階
WD
20
TC又はSC
の業務計画
にプロジェクト
を登録
20.00
作業原案
(WD)の
検討開始
20.20
意見の要約
の回付
20.60


プロジェクト
の削除
20.98
CDとしての
登録を承認
されたWD
20.99
委員会段階
CD
30
委員会原案
(CD)の登録
30.00
CDの検討
/投票開始
30.20
意見/投票
結果要約の
回付
30.60
CDをWD
へ差し戻し
30.92

プロジェクトの
削除
30.98
DISとしての
登録を承認
されたCD
30.99
照会段階
DIS
40
DISの登録
40.00
DIS投票の
開始:
5ヶ月間
40.20
投票結果要約
発送
40.60
フルレポート
回付:DISを
TC又はSC
に差し戻し
40.92
フルレポート
回付:新DIS
投票の決定
40.93
プロジェクトの
削除
40.98
フルレポート
回付:FDIS
として登録
されたDIS
40.99
承認段階
FDIS
50
正式承認の
ために登録
されたFDIS
50.00
FIDS投票の
開始:2ヶ月間
校正刷を
幹事国に
発送
50.20
投票結果の
要約の発送
校正刷を
幹事国から
返却
50.60
FDISをTC
又はSCへ
差し戻し
50.92

プロジェクトの
削除
50.98
発行を承認されたFDIS
50.99
発行段階
IS
60
国際規格の
発行準備中
60.00

国際規格の
発行
60.60




見直し段階
90

国際規格の
定期的見直し中
90.20
見直し要約
の回付
90.60
国際規格の改正決定
90.92
国際規格の
確認
90.93

TC又はSC
の提案で
国際規格を
廃止
90.99
廃止段階
95

廃止投票の
開始
95.20
投票結果
要約の発送
95.60
国際規格
廃止の否決
95.92


国際規格の
廃止
95.99
(出所:ISO/ICE専門業務用指針 第1部 専門業務の手順 第3版)



4.発行文書

 ISOにおける審議により作成される文書はIS(国際規格)のみとは限らない。技術文書として、次のようなIS以外の文書が発行されることもある。

PAS---WGで合意の得られたことを示す規範的な文書
TS---ISO委員会で技術的に合意されたことを示す規範的な文書
TR---通常規範的な文書として発行されるものとは異なる情報を含んだ情報提供型の文書
ITA---指定されたISO会員団体からの管理的サポートを受けて、ISOの外部の国際ワークショップで作成された技術文書



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