■国際標準化活動の必要性



(1) 国際標準化への参画の必要性

 一般的な国際標準化がもたらす重要なメリットとしては、以下の様なポイントが挙げられる。


  1. 意図した用途に一層適合するようになること
  2. 貿易障壁が予防できること
  3. 技術協力が容易になること

 民間企業、政府がITS国際標準化に関与するメリットとしては、以下の様なポイントが挙げられる。またITSは、政府がインフラの調達者として標準化の主体者となる点、道路利用者のニーズ、道路管理者のニーズを踏まえた標準化が必要である点が、他の民間主体の標準化活動と異なる点である。


  1. 利用者の視点:
  2. コストの視点:
  3. 貿易の視点 :


(2) 国際標準化を怠った場合の具体的な影響

 日本において、ITSに関する十分な国際標準化活動が行われなかった場合、以下の様な影響が考えられる。

  1. 海外のシステムとの互換性が得られないことにより、国際的な情報交換が阻害される。
  2. 開発した技術を適用できる領域が狭くなり、十分な市場が形成されない。また、標準に適合させるための開発と二重の開発が必要になり、開発コストが上昇する。結果的に価格が高くなる。
  3. 政府調達に関して、海外企業の参入が阻害され適正な競争が行われないため、コストの低減が行われず、調達コストが高くなる。
  4. 第3国が既存システムの存在を知らず、システムを独自に構築すると、市場の拡大の機会が失われる。また、技術交流が行われず、日本のシステムの海外普及を阻害する。
  5. 国際標準と違う仕様を政府が調達すると、閉鎖的市場となり健全な貿易の発展を阻害するとともに、非関税障壁(WTO/政府調達協定違反)として国際的な問題となる。

ITSは、国際競争が激しい分野である自動車やエレクトロニクス産業のほか、国際物流にも深く関わるものである。国際標準化活動への対応を誤り、製品やシステムのコストが高くなって海外普及が妨げられたり、物流が阻害された場合、わが国の民間企業等の事業に影響を与える可能性もある。