■ISO/TC204におけるITSの国際標準化


 ITSの国際的な標準化に関しては、ISOにTC204(専門委員会204/Intelligent Transport Systems、以前はTransport Information and Control Systems:車両交通情報制御システムという名称であった)が1992年に設置され、標準化テーマについて審議を重ねている。一方ヨーロッパでも、CENにTC278が1991年に設置されており、ISO/TC204と類似した内容の標準化作業を進めている。両者は密接な関係にあり、ウィーン協定に基づいて共同で標準化作業を実施している。

(1) ITS国際標準化の体制


 ITSの国際標準化は、ISO/TC204が中心に実施している。また、検討テーマによってはIECとのJTC1ITUとの調整によりタスクが分けられている。


標準化の体制


ISO/TC204には標準化分野ごとに、ワーキングWG1−WG16が設置されている。

ISO/TC204各WGの概要

WG

分科会名称

検討内容・論点

システム機能構成分科会

ITSアーキテクチャの記述方式、基本的なユーザーサービス等の定義、データディクショナリを検討

品質・信頼性分科会

(休止)

ITSデータベース技術分科会

ITSの共通データコンテントとなる地図データベースについて、データベース構成、データの保存・参照方法、APIを検討

車両自動認識/貨物自動認識分科会

車両・貨物自動認識システムのアーキテクチャ、アーキテクチャで定義されたインターフェースにおける通信方式、データコンテントを検討

料金収受分科会

ETCのオペレーションに係わるデータコンテント、通信プロトコルへの要求事項、システムの品質・信頼性に係わる要求事項を検討

(6)

(貨物運行管理分科会)

WG7に統合

商用車運行管理分科会

車両運行管理に係わる運用の定義、レベルを検討

公共交通分科会

公共交通の利便性を高めるサービスのデータコンテント、通信方式を検討

交通管理分科会

交通管理に係わるシステムのデータコンテント、通信方式を検討

10

旅行者情報分科会

メディア別の旅行者情報サービスの体系化とそのサービスに関するデータコンテントを検討

11

ナビ・経路誘導分科会

経路誘導システムに関するデータコンテント、通信方式を検討

12

(駐車場管理)

(削除)

13

(ヒューマンインターフェイス分科会)

(削除)

14

走行制御分科会

車両を中心としたアプリケーションシステムの標準化を検討

15

狭域通信分科会

路車間(DSRC等)、車々間の狭域無線通信方式の標準化を検討

16

広域通信分科会

公衆回線等の広域通信を利用したデータ通信方式を検討


また、ISO/TC204とCEN/TC278では、ウィーン協定に基づく協力関係により、いずれの機関が主導して標準化作業を行うかが定められており、重複する業務について共同で作業を行っている。

ISO/TC204WGとCEN/TC278WGの対応関係

ISO/TC204

CEN/TC278

主導

WG

ワークプログラム

幹事国

対応WG

ワークプログラム

WG1

アーキテクチャ

イギリス

WG13

System Architecture and Terminology

ISO

WG2

品質・信頼性

(休止)

WG3

データベース

日本

WG7
WG8

Geographic Road Data Base
Road Traffic Data

ISO

WG4

車両自動識別

ノルウェー

WG12

Automatic Vehicle and Equipment Identification

CEN

WG5

料金収受

オランダ

WG1

Automatic Fee Collection and Access Control

CEN

WG6)

(貨物運行管理)

(削除)

WG2

Freight and fleet Management System

ISO

WG7

商用車運行管理

カナダ

ISO

WG8

公共交通

アメリカ

WG3

Public Transport

ISO

WG9

交通管理

オーストラリア

WG5

TC-Traffic Control

ISO

WG10

旅行者情報

イギリス

WG4

TTI-Traffic and Traveler Information

CEN

WG11

ナビ・経路誘導

ドイツ

(WG12)

(駐車場管理)

(削除)

WG6

Parking Management

(WG13)

(マン・マシン・インターフェース)

(削除)

WG10

Man-machine Interface

WG14

走行制御

日本

WG15

狭域通信

ドイツ

WG9

Dedicated Short Range Communication

CEN

WG16

広域通信

アメリカ

WG11

Subsystem-Intersystem Interfaces

ISO

注:「−」は対応WGなし

(2) ISO/TC204参加国

 ISO/TC204の審議への参加国は以下の通りで、Pメンバー20ヶ国、Oメンバー28ヶ国からなっている。

Pメンバーの20カ国の構成

ISOホームページによる(2002年3月)

CENグループ

その他(CEN関係以外)

1.オーストリア

2.ベルギー

3.チェコ

4.デンマーク

5.フランス

6.ドイツ

7.イタリア

8.オランダ

9.ノルウェイ

10.スウェーデン
     
11.イギリス

1.オーストラリア

2.カナダ

3.中国

4.イスラエル

5.日本

6.韓国

7.マレーシア

8.ロシア

9.アメリカ

合計20カ国(2002年3月現在) ※Pメンバー:Participation member(積極参加メンバー)

 

 

Oメンバーの28カ国の構成

ISOホームページによる(2002年3月)

CENグループ

その他(CEN関係以外)

1.クロアチア

2.フィンランド

3.ギリシャ

4.ハンガリー

5.アイルランド

6.ポーランド

7.ルーマニア

8.スロバキア

9.スペイン

10.トルコ

11.エジプト

1.ブラジル

2.チリ

3.コロンビア

4.キューバ

5.インド

6.インドネシア

7.イラン

8.メキシコ

9.ニュージーランド

10.パキスタン

11.フィリピン

12.シンガポール

13.スリランカ

14.タイ

15.トリニダード・トバゴ

16. ウルグアイ

17. ユーゴスラビア

合計28カ国(2002年3月現在) ※Oメンバー:Observer(オブザーバー)

 

 

(3) ITS標準化委員会発足に伴う体制

 ISO/TC204に関連した国内の標準化体制として、我が国では1993年に通産省工業技術院に設置された国内対策委員会のもと、TC204の各国際WGに対応する国内分科会と、小委員会により検討が進められてきた。

 しかし、1998年に国内における対応体制の強化を図るため、国内対策委員会、および国内対策小委員会を改組し、新たにISO/TC204国内委員会とその下部組織である国内技術委員会を設置した。
 さらに2000年にはISO/TC204のリエンジニアリング検討を受け、TC204国内委員会においても検討の活性化、目的意識の強化等の対策を行うこととなり、国内委員会を改組しITS標準化委員会が発足した。

 

ISO/TC204の国内組織