■ 進む国内標準化
■国内標準化への取り組み
ITSの国際的な標準化は、ISO(国際標準化機構)にTC(専門委員会)204が設置され、現在12のWG(ワーキンググループ)で審議を重ねています。このISO/TC204に関連した国内の標準化体制として、日本では、ISO/TC204国内委員会を設置し、このもとに技術委員会やTC204の各WGと対応する国内分科会等を組織し、海外からの標準化原案の審議、国内での標準化原案の作成に取り組んでいます。(P88-89参照)

■ISO/TC204総会で道路通信標準を紹介
2000年6月にISO/TC204総会が滋賀県大津市で開催され、総会とともに、8WGとDD(データディクショナリ)Ad-hocの審議が行われました。この中で、WG7では日本からの標準化作業の事例として道路通信標準の開発手法が紹介され、DD
Ad-hocでは日本の情報モデルの例として道路通信標準のデータディクショナリで作成した情報モデルが提出されました。また、WG9では道路通信標準のホームページ(国土交通省土木研究所:http://www.
pwri.go.jp)での公開をナショナルレポートとして紹介しました。
■道路通信標準とは
道路通信標準とは、道路に関する情報を正確に伝えるための約束事を取り決めた、いわば共通言語のようなもので、システムアーキテクチャ(全体の概略設計図P24-35)とともにITSの総合的、効率的な整備推進のために必要となるものです。
道路通信標準は、ITSプラットフォーム(図1)の一部を構成します。ここでいうITSプラットフォームとは、ITSの個々のアプリケーションシステムが共通に利用できるシステム基盤であり、情報通信技術(IT)の活用を前提とした有形、無形の社会基盤を指します。
道路通信標準の目的は、道路通信分野の課題である通信方式、メッセージ形式の不統一等を解決することです(図2)。これによって、スマートウェイ(P16-22)として展開されていくシステムの相互接続性、相互運用性、機器互換性を確保します。
道路通信標準では、通信機能におけるメッセージ解釈機能とメッセージ搬送機能の標準化を行っています。メッセージ解釈機能とは、受信したメッセージから送信側と受信側で統一された解釈ルールに従って情報の意味を誤りなくアプリケーションに渡す役目をいいます。またメッセージ搬送機能とは、メッセージを統一された通信ルールによって誤り無く搬送するためのものです。道路通信標準では、前者の機能をデータディクショナリ(単語の定義)、メッセージセット(文法)に、後者をプロトコル(文の順序)に割り付けて標準化しています。(図3)。
図1:ITSプラットフォーム 
図2:道路通信標準の目的
図3:通信機能における位置付け
■道路通信標準案の構築手法
道路通信標準案は、システムアーキテクチャに基づいた以下のようなオブジェクト指向モデリング手法により作成しました(図4)。
- 道路管理者が調達した実績のあるシステムおよび今後実施展開が想定されるシステムを抽出するとともにサービスを目標にする。
- システムアーキテクチャをもとにこれらサービスを達成するために必要となる機能オブジェクトを論理的に配置した機能モデルを作成。また機能オブジェクトを駆動するための抽象メッセージを設定。
- 機能オブジェクトを実際に実現するための情報機能を配置したシステムモデルを作成。標準化すべき通信断面を抽出。
(4)これらのモデルをシステム毎に作成しすべての通信断面で必要となるメッセージセット、データディクショナリ、プロトコルの各標準案を作成。
図4:道路通信標準案の構築手法 
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