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道路行政セミナー

最新号

道路行政セミナー・3月号
ROAD ADMINISTRATION SEMINAR・2024 Mar

令和6年3月27日発行

INDEX
高速道路会社の取り組み

休憩施設における大型車駐車場の混雑緩和に向けた取組み
・・・中日本高速道路㈱ 保全企画本部 交通課

訴訟事例紹介

道路沿いの私有地に生育していた樹木が倒れ、道路を走行していた自動車に直撃して運転手が死亡した事故について、国家賠償法2条1項に基づき損害賠償請求がなされた事例
(一審:令和3年6月23日熊本地方裁判所民事第3部判決)
(二審:令和4年1月28日福岡高等裁判所第2民事部判決)
(上告棄却:令和4年12月22日最高裁判所第一小法廷)
・・・国土交通省 道路局 道路交通管理課

TOPICSⅠ

沼津市におけるウォーカブルなまちづくり
~ヒト中心のまちの実現に向けて~
・・・沼津市 都市計画部 まちづくり政策課

TOPICSⅡ

災害対策や防災・減災対策の推進に緊急予算を支援
~「防災・減災対策等強化事業推進費」のご案内~
・・・国土交通省 国土政策局 広域地方政策課 調整室

地域における道路行政に関する取組み事例
  • 姫路サービスエリアにおける相乗り長時間駐車への対応について
    ・・・近畿地方整備局 姫路河川国道事務所
  • 道路管理におけるDXの取組について(大分県)
    ・・・大分県 土木建築部 道路保全課
  • 新たな道の駅の構想~着工、そしてこれから。
    ―道の駅「たのうらら」―
    ・・・大分市 商工労働観光部 おおいた魅力発信局

高速道路会社の取り組み

休憩施設における大型車駐車場の混雑緩和に向けた取組み
(PDF:1,307KB)

中日本高速道路㈱ 保全企画本部 交通課

Point

 近年、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(以下「SA・PA」)は,平日の夜間時間帯を中心に、大型車の駐車需要が供給量となる駐車マス数を上回ることで、慢性的な混雑が発生している。高速道路をご利用されるドライバーの確実な休憩・休息機会の確保に向けて、大型車駐車場の混雑緩和が喫緊の課題となっている。
 本稿では、SA・PAの大型車駐車場における現状と、その対応として取り組んでいる大型車駐車マスの拡充や短時間限定駐車マスの整備などについて紹介する。

訴訟事例紹介

道路沿いの私有地に生育していた樹木が倒れ、道路を走行していた自動車に直撃して運転手が死亡した事故について、国家賠償法2条1項に基づき損害賠償請求がなされた事例
(一審:令和3年6月23日熊本地方裁判所民事第3部判決)
(二審:令和4年1月28日福岡高等裁判所第2民事部判決)
(上告棄却:令和4年12月22日最高裁判所第一小法廷)
(PDF:374KB)

国土交通省 道路局 道路交通管理課

Point

【事案の概要】
 道路沿いの私有地に生育していた樹木が倒れ、道路を走行していた自動車に直撃して運転手が死亡した事故について、道路が通常有すべき安全性を欠きその設置・管理に瑕疵があるとして、国家賠償法2条1項に基づき損害賠償請求がなされた事例
(一審:令和3年6月23日熊本地方裁判所民事第3部判決)
(二審:令和4年1月28日福岡高等裁判所第2民事部判決)
(上告棄却:令和4年12月22日最高裁判所第一小法廷)

【判決要旨】
・当該営造物の設置又は管理に瑕疵があったとみられるかどうかは、その事故当時における当該営造物の構造、用法、場所的環境、利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきであるものと解される。
・本件私有地上の樹木が本件道路に倒れ込んで事故が起きることを市が予見することは可能であったというべきであり、道路に倒れ込むことが防止できていなかった状況下では、防止する対策を講ずる必要があったというべきであるし、かかる対策を講ずることが困難であったことをうかがわせる事情はない。
・本件樹木の存在する土地が私有地であって市の管理する道路区域に該当しないとしても、道路内に周囲の私有地から樹木が倒れ込むことを防止することは、道路を常時良好な状態に保って交通に支障を及ぼさないようにするために必要な対策であり(道路法42条1項)、管理者に求められる義務であるといえる。
・市が、パトロールや危険な樹木の伐採、土地所有者への樹木の剪定を求める文書送付などの対応をしていても、私有地の樹木が本件道路に倒れ込むことを未然に防止することができていなかった以上、これらの対応がされていたことをもって本件道路が通常有すべき安全性を備えていたということはできない。
・本件道路は通常有すべき安全性を欠き、その設置又は管理に瑕疵があったものと認められる。

TOPICSⅠ

沼津市におけるウォーカブルなまちづくり
~ヒト中心のまちの実現に向けて~

(PDF:7,425KB)

沼津市 都市計画部 まちづくり政策課

Point

 沼津市では鉄道高架事業を始めとする沼津駅周辺総合整備事業を契機として中心市街地の再生を図るために、まちなかの公共空間を開き(活用し)、居心地の良い、魅力的な空間づくりを行うことで、人の気持ちもまちに開き、ヒト中心でにぎわいあふれる日常を定着させていく取組を「OPEN NUMAZU」と題し、実践や検証に取り組んでいます。


TOPICSⅡ

災害対策や防災・減災対策の推進に緊急予算を支援
~「防災・減災対策等強化事業推進費」のご案内~
(PDF:2,366KB)

国土交通省 国土政策局 広域地方政策課 調整室

Point

 防災・減災対策等強化事業推進費は、年度当初に予算計上されていない公共事業に対して、緊急的かつ機動的に予算を配分し、防災・減災対策等を実施するものであり、「災害対策事業」、「公共交通安全対策事業」、「事前防災対策事業」に活用できます。
 令和6年度の募集にあたり、概要、募集スケジュール、活用事例等について紹介します。

地域における道路行政に関する取組み事例

姫路サービスエリアにおける相乗り長時間駐車への対応について(PDF:5,864KB)

近畿地方整備局 姫路河川国道事務所

Point

 国道2号姫路バイパスの姫路サービスエリアでは「相乗り行為」による長時間駐車車両によってバイパス利用者の休憩に支障が出ているという課題があったため、その対策として令和5年9月に姫路サービスエリアを一般道から利用できない形態にするための工事を実施しました。
 本稿では対策実施に至る経過をご紹介します。


道路管理におけるDXの取組について(大分県)
(PDF:781KB)

大分県 土木建築部 道路保全課

Point

 本県では、高度経済成長期に集中して整備された橋梁やトンネルなどの社会インフラの老朽化の進行、建設産業の担い手不足といった課題に対して、点検業務の効率化や品質の向上を図るため、道路施設の定期点検業務における新技術の活用を推進しています。
 また、大分県行財政改革推進計画に基づき、道路占用関係事務の手続の電子申請を進めていますので、その取組について紹介します。


新たな道の駅の構想~着工、そしてこれから。
―道の駅「たのうらら」―

(PDF:1,349KB)

大分市 商工労働観光部 おおいた魅力発信局

Point

 令和5年4月に着工した道の駅「たのうらら」について、数多くの挑戦と努力が実を結ぶこととなった建設までのプロセス、これからについてご紹介します。

編集後記

桜が咲く季節。お花見という言葉を耳にすると、ソワソワし、ワクワクした気持ちになります。お花見といえば、桜の咲く公園などに敷物を携えて赴き、お弁当を広げ、宴会が催されるイメージですが、これは、わが国独特の文化であるようです。ある研究者によると、諸外国でのお花見は、食べたり飲んだりしないのだとか。

お花見で愛でる花といえば、桜であると強く思い込んでおりますが、現存するわが国最古の歌集である万葉集では、桜よりも梅を詠んだ歌が圧倒的に多く、当時は梅の花を愛でることが主流でした。時の移ろいとともに、愛でる花が桜へと移り変わり、平安時代の貴族たちは、桜を鑑賞しながら歌を詠み、また、桜の下で蹴鞠(けまり)をすることを楽しんだそうです。そして、平安時代に編纂された古今和歌集では、梅よりも桜が詠まれた歌が多くなり、桜への関心が次第に高まってきた様が伺えます。一方、農民たちは、桜の咲くころ、お酒や食べ物を携えて、小高い丘や山に赴き、寒い冬を支配していた神を山に送り返し、田の神を里に招く「春山行き」「春山入り」という行事にて、その年の豊穣を祈りつつ、桜の下で宴会を行っていたようです。このように、貴族たちの行事と農民たちの行事が融合し、わが国独特の、桜を眺めながら、飲んだり食べたりを楽しむお花見文化が形成されていったようです。

桜の名所といわれる場所は、全国に数多くありますが、庶民がお花見を娯楽として楽しめるようになったのは、江戸時代になってからのようです。第8代将軍の徳川吉宗の命によって、飛鳥山(東京都北区)/向島(東京都墨田区)/御殿山(東京都品川区)に桜が植樹され、花見公園が整備されました。そして、庶民が安心して花見を楽しめるようにと、これらの公園を開放したのが始まりであるという文献が多く残されています。次第に、桜の下で飲食を楽しむことが庶民の娯楽として定着していき、当時の記録からは、人出が多く、とても賑やかであったと記されています。

お昼時、お弁当を広げてのお花見は、春を感じることのできる、とても和やかなひと時となります。また、夜のお花見も昼間とは雰囲気を異にした楽しい時間となります。自粛が解かれたことから、今年は久しぶりに夜のお花見にも繰り出す予定を立てました。花冷えという言葉があるように、日中は暖かい日差しが届くものの、夜はまだ寒く、身体が冷えます。長居することはできませんが、夜桜を眺めつつのお花見。とても楽しみにしていたのですが、まだ開花には早かったようです。しかしながら、とても賑やかな雰囲気を楽しむことができました。人が集い、おしゃべりに興じながら、飲んだり食べたり。このような光景、本当に待ち遠しかったです。(U)


お問合せ窓口

(一財)道路新産業開発機構 松澤
TEL:03-5843-2911 Mail:RAseminar@hido.or.jp

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