今後の道路政策にITSを大いに活用したい 

 −道路政策の中でITSはどのような位置づけですか。 

 98年度からスタートする新たな道路整備五箇年計画(案)では、ITSを今後の道路政策の重要な柱に位置づけています。ITS、つまり道路交通システムの高度情報化は21世紀の日本にとって必要不可欠という認識です。 
 これまでの道路行政では「道路をつくる」ことが中心でした。しかし、これからは「道路を使う工夫」も大切です。特に使い方とともに機能を向上させることにウェイトがかかってきたのです。ITSは道路の機能を向上させることで、道路の使い方の可能性を飛躍的に拡大します。今後の道路政策にITSを大いに活用していきたいですね。  

社会システムとしての視点を 

 −ITS実現への課題は何ですか。 

 いくつかありますが、まず社会システムとしていかにITSが定着できるかということでしょう。これがITS実現の分岐点になります。 
 カーナビが250万台と爆発的に売れている現状では、VICSがITSの代表とされている側面があります。いちはやく実現し、そのメリットを受できるのですから無理もありません。でもこれはITSの一部です。つまり、ここまでのITSは「電気製品あるいは商品」としてとらえられがちでしたが、今後は「社会インフラ」としての本領を発揮していくべきと考えます。 

 −社会システムとして構築するにはどうしたらよいのでしょうか。 

 まず、情報のやり取りや機器の使い方が地域や機種によって異なるのでは意味がありません。統一が不可欠です。 
 また、今後カーナビは進化して、さまざまなアプリケーションの車載端末として多機能化していきます。一つのカーナビで複数のサービスを受けられるようにするには、システムの「統合化」が重要です。もちろん、高度に情報化する道路インフラにとっても、この統合化が求められてきます。たとえば、一つの道路インフラでさまざなサービス提供に対応することなどです。 

 −どのようにシステムを統合化しますか。 

 効率的にシステムの統合化を図ることが大切です。そのため、ITSの全体像としてシステムアーキテクチャを策定するとともに、互換性の確保やデータの共有化を図るための基準類の整備を急ぐ必要があります。この基準類には、道路通信標準などがあります。 

−確保すべき互換性とは。 

 まず、地域間や管理者間での互換性です。次にさまざまなITSサービス間の互換性。この2つを中心に進め、ITS以外のシステムとの互換性も視野に入れていきます。  
 たとえば、金融システムとか、鉄道・船舶・航空などほかの交通機関の運行情報や観光情報なども考えられています。 
 

地域ニーズに応じたITSの実用化を 

−国内でのITSはどのようなかたちで実現していくでしょうか。 

 2つの側面があると考えています。一つはVICSやETCのように、全国展開からのアプローチですね。もちろん、世界的な標準化を睨みながら進めています。もう一つは、それぞれの地域におけるアプローチです。つまり、ITSを全体構想に示された9つの開発分野と20の利用者サービスに限定して考えるのではなく、地域のニーズに応じて柔軟にとらえていくべきと考えます。 
 たとえば現在道路管理者が持っている情報を公開して活用したり、管理の効率化などを図るのです。いきなり複雑なシステムの導入を考えるのではなく、もっと気楽に、できることからやればいいという考え方ですね。 

 −その場合、地域にとってポイントとなるのは何ですか。 

 創意と工夫、そして取り組み評価の視点です。ITSはまだ世界的にも試行錯誤で取り組まれているフロンティアな分野。だからこそ、地域のニーズに対応する産官学と地域住民の創意工夫に基づき、モデル的な取り組みが有効なのです。そして、ただ取り組むだけではなく、明確に目標の設定や評価を行うことが大切です。 
 さらに、そうした地域の取り組みについての情報は、広くオープンにし、関係者間で共有していきたいですね。ITSの早期実現には、情報の公開と共有は不可欠なのですから。 

 

★ITSの最新情報が分かります。
●ITS HOMEPAGE 
(建設省道路局のITSホームページ) 
http://www.mlit.go.jp/road/
 
内容:新着情報/5省庁による全体構想/ITSとは?/日本のITS/建設省のITS/海外のITS/文献情報/関連Webサイト
●HIDO ITS HOMEPAGE 
(財団法人道路新産業開発機構のITSホームページ) 
http://www.nihon.net/hido/ITS/index.html

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  問合せ先  103-3545-6631(財)道路新産業開発機構 ITS統括研究部

 

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