研究・各種会議

自主研究の紹介

調査研究のあゆみ - 平成16年度 -

スマートウェイ計画
先端的なITS を組み込んだスマートウェイの実現を図るためには、関係する産・学・官各分野の技術を結集して要素技術並びにシステムの開発を進める必要がある。平成12年度には、スマートウェイの早期実現に向け、民間企業等からITS 技術やサービスについて提案を受け付ける官民連携の場として「スマートウェイパートナー会議」が設立された。平成16年度は、ITS 技術を活用した新たなサービスの展開について検討を進めるとともに、都市再生に向けた道路面からの支援について検討を行った。
DSRC を用いた電子標識の標準化検討
ローコストな簡易DSRC を用いて道路標識等の情報を電子化し情報発信することにより、車への注意喚起など様々なサービスが可能となることから、標準化のための基礎検討を行ってきた。
平成16年度は、簡易DSRC の標準化に向けて規格の詳細検討を行うと共に、関係省令についての課題検討を行った。
物流システムの高度化
① 地域ロジスティックの推進
近年、物流の小口多頻度輸送による交通渋滞や環境悪化等の諸問題に対応するため、これまで道路と一体となった広域物流拠点の整備、物流の高度化及び物流拠点整備に対する支援方策の調査業務を行ってきた。具体的には、成田空港近傍にモデル地区を設定し、近年の物流動向やITS 技術の進展を踏まえ、都市部との連結を考慮した道路一体型広域物流拠点の整備効果を、行政及び民間企業の視点から検討してきた。また、道路管理者の視点からは、道路一体型広域物流拠点の整備を促進するIC 整備計画等を考慮し、スマートIC の活用について検討を行ってきた。
平成16年度は、引き続き、成田空港における貨物取扱量の増加の現状や並行滑走路の供用等を考慮し、成田物流拠点の整備促進方策について検討を行った。
② 新物流システムに関する調査
自動車交通混雑の緩和や環境負荷を低減する観点から、これまで都市の地下空間や高速道路等の上下空間を利用して物流のための専用空間を確保し、自動車交通を代替する新物流システムの技術開発を行ってきた。
平成16年度は、地下鉄を活用した新しい都市内物流システムの実現可能性について、物流事業者や地下鉄事業者の意見を踏まえ、制度面等の課題についても整理し、実現可能性に向け、システムを検証するための社会実験を視野に入れた検討を行った。
道路及び沿道の環境改善
道路環境ビジネスに関する調査研究
平成14年8 月8 日に発足した本研究会は、道路環境向上のための有望なビジネスモデルの作成、制度的措置等を検討し、これを広く提案・提言することを目指して、総会(86 社参加会長:林喬東京電力㈱常務取締役) の下で、検討分野ごとにエコロードビジネス部会(31 社参加部会長:岸井隆幸日本大学工学部教授)、都市活性化ビジネス部会(36社参加部会長:北原理雄千葉大学工学部教授) 及び省資源・新エネルギービジネス部会(24社参加部会長:大聖泰弘早稲田大学理工学部教授) の3 部会を設けて研究を行ってきた。
イ. エコロードビジネス部会
環境に優しい建設資機材、設計の普及促進等道路がもたらす環境への影響の改善に寄与するビジネスモデル、制度的措置等を検討し、これを広く提案・提言することを目的としている。
これまでは、道路の環境負荷を低減させる商品及び地域・地球環境を向上させる商品を普及させるための民間側のビジネスチャンス拡大方策や行政側のインセンティブ付与のあり方を検討して、その実現のための課題を抽出し、課題解決の一つの方策として、既存の情報提供の仕組みを調査して、道路の負荷低減に資する商品の情報をより容易に入手することができるデータベースを試行として作成した。
これと並行して、エコロード実現のため、道路を活用して公共の支援を仰ぎながら、民間が開発に取り組んでいくことが可能な新たなビジネスモデルの検討を行った。平成16年度は、15年度作成したデータベースを今後1 年間を目途に公開し、意見等の聴取を行ったうえで、情報提供のあり方を取りまとめるとともに、掲載された商品が比較可能な客観的な評価基準のあり方を検討した。
新たなビジネスモデルについては、テーマを絞って検討し、具体の成果を挙げることを目途とした。
ロ. 都市活性化ビジネス部会
道路空間の有効利用を通じて都市活性化に寄与するビジネスモデル、制度的措置等を検討し、これを広く提案・提言することを目的としている。
これまでに、歩行者空間における広告、通信基地及びオープンカフェの各テーマについて、具体的な課題、問題点を自治体・商店街等へのヒアリング、アンケート等を通じて把握し、実フィールドにおける試行の可能性等の検討を行った。
平成16年度は、平成15年度までの検討結果を踏まえ、広告とオープンカフェの各テーマについて、民間事業者や自治体の協力のもと、実フィールドにおける検証を通じて、ビジネスモデル、制度的措置等を検討するほか、通信等による都市活性化に資する情報提供について幅広く検討を行った。
ハ. 省資源・新エネルギービジネス部会
道路空間の有効利用を通じて低公害車利用やリサイクル社会実現等に寄与するビジネスモデル、制度的措置等を検討し、これを広く提案・提言することを目的としている。これまでに関係機関、自治体等に対するアンケートやヒアリングの実施、ケーススタディ等により道路空間を活用した副生水素の供給、高速道路のSA・IC における天然ガス利用の導入、静脈物流に資する道路空間の利活用及びAE (Advanced Electric) バスの普及方策の検討を行ってきた。
平成16年度は、道路空間を活用した水素供給パイプラインの整備を促進するための国内制度のあり方、高速道路のSA、PA の新エネルギーによる自立化、道路空間を活用した循環型物流拠点に関する具体化方策と事業地を想定したケーススタディについて検討を行った。
道路に関する新事業分野の開発
道路交通情報提供ビジネスに関する調査研究
平成14年6 月、道路交通法の一部改正等道路交通情報に関する規制が緩和され、民間事業者が道路交通情報を独自に編集・加工し、ユーザーへ提供することが可能となり、民間事業者による積極的なビジネス展開とその市場拡大が期待されているところである。 規制緩和措置を契機として期待される新たな産業創出の引き金の一端となることを目的として、道路交通情報を提供する新たな事業モデル等、民間の事業参入可能モデルを検討し、サービスの事業展開の可能性について調査研究を行ってきた。
平成16年度は、15年度に提案したモデルについて、汎用性の高いビジネスモデルを以下の2 つの視点から検討した。
1) 日本の特殊性を踏まえたビジネスモデルの検討
2) 道路交通情報の利用形態を軸としたビジネスモデルの検討
「道路ユビキタス」の実現に関する調査研究
現在、情報通信を始めとする多くの関連業界・関係者から「ユビキタス」社会の実現が期待され、社会的な関心が高まっていることを背景に、道路空間におけるユビキタス環境のあり方について調査研究を行っている。道路空間に関する基礎的な測定データを十二分に利活用することにより、付加価値の高い情報が生成され、その情報が適時・迅速に流通し、自在に活用され得る環境を「道路ユビキタス」と称し、その実現可能性を検討している。
これまでは、社会における道路空間の果たすべき機能・役割の考察と道路空間で期待されるシーンを検討し、さらにそれを実現し得る「道路ユビキタス」環境について基礎検討を行ってきた。
平成16年度は、「道路ユビキタス」環境の実現について次の項目を検討した。
1)「道路ユビキタス」環境実現の基本検討
2)「道路ユビキタス」環境内の情報資源のあり方検討
高速道路を活用した地域活性化に関する調査研究
我が国においては、国内旅客、貨物輸送における自動車交通の占める割合が年々増加しており、高速道路は経済成長と国民生活の向上において、大きな役割を果たしてきた。現況において、我が国の高速道路の整備水準は、先進諸国と比較しても十分に整備されているとは言い難く、長引く不況と財政難を背景に高速道路をはじめとする公共事業への見直し、民間活力を取り入れた効率化を求める声が高まっている。このため、高速道路に関わる各種のインフラを有効に活用し、高速道路等を活用した新たな民間サービスの創出(各種情報提供の充実、民間施設と一体化したスマートIC 等) と、実現に向けた事業化手法の検討を行ってきた。
平成16年度はこれまでの検討で得られた高速道路インフラを活用した新サービスについて、民間ベースの実現性が高いものについてケーススタディを行い、より詳細な事業化方法の検討を行った。
ITS の新たな方向性と道路施策メニューに関する調査研究
利用者ニーズから見たITS サービス(事業も含む) の現状の問題点・課題を整理し、ITSの今後の方向性と展開のあり方について検討を行っている。また、この検討を踏まえて、今後のITS 重点的メニュー(情報共有基盤整備、人・モノの移動のITS 化など) について検討を行ってきた。
平成16年度は、次世代ITS 関連の事業・サービスを具体化するため、社会・行政の構造的変化の潮流を踏まえた視点から、ITS 事業モデルの構築について検討を行った。
防災対策支援システムの研究
地震発生時や異常気象時等の非常時における国の直轄事務所や地方自治体での防災対策業務を適切で迅速に実施することにより二次災害を防止・抑制すると共に担当職員の負担軽減を図ることを目的とした防災対策支援システムの研究を行ってきた。
平成16年度は、道路防災業務支援システムの設計を進めつつ地域防災に必要なシステムの検討を行った。
道路凍結抑制システムの研究
路面凍結による事故の防止と道路維持管理業務の軽減を図るために、凍結抑制舗装や凍結防止装置を組み合わせた総合的な凍結抑制システムの構築について研究を行ってきた。
平成6年度は、路面凍結メカニズムの解析とメカニズム毎の凍結抑制対処法を分類し、凍結抑制システム構想の概略を立案した。
道案内システムの研究
観光地などの道案内情報は、アナログ地図や標識によって提供されているが初期投資や更新に手間と経費が掛かるといった問題があることから、IT 技術を利用して安価で再生の可能な道案内情報提供システムの構築について研究を行ってきた。
平成16年度は、道案内に関するニーズの整理及び道案内に関する道路管理者の業務範疇について検討を行った。
中心市街地活性化を支援するための道路施策のあり方に関する調査研究
人口の都市集中の鈍化、高齢化の進行、産業構造の転換など都市を取り巻く環境は変化している。このような中、都市構造の再編や都市中心部の求心力の回復、都市間競争に耐え得る個性的な都市の育成などにより、都市の活力を甦らせること(都市再生) が急務となっており、地域コミュニティの復興やIT による新しい産業構造への対応、新陳代謝が停滞している既成市街地の整備などが求められている。
平成16年度は、中心市街地の活性化を支援するための道路・交通施策のあり方について検討を行い、想定される施策イメージをもとに、ケーススタディ等を通して、新たな施策の必要性及び実効性について評価を行った。
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