タイトル
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挿絵
  人類はその長い歴史の中で、人の移動や物の輸送のため、人力から馬などの家畜の利用を経て、車・船・鉄道・自動車・飛行機など様々な輸送手段を発明して参りました。そしてその有用性を認識すると、これに係わる道路・鉄道・港湾・空港などのインフラの配備を行い、生活を豊かにしてきました。21世紀を迎えた今交通システムは、世界中に張り巡らされた光ファイバ網や移動体通信網、衛星を使ったネットワークによる情報の流通手段と連携により、新しい時代を迎えようとしております。
  このような情報の流通を行うためには、情報流通の共通規約が必要となります。1989年スイスの欧州素粒子物理学研究所(CERN)のTim   Berners-Lee氏らが提案したWWWは、HTTPという通信プロトコル、HTMLというコンテンツを記述する言語を共通規約として使用することにより、世界の隅々まで情報の流通を可能にしました。政府機関、公共機関、私企業、個人はその有用さを認識し、こぞってWWWから情報発信を始め、インターネット上の情報は飛躍的に増大しました。
  しかしその結果、利用者は情報の海から自分に必要な情報を取り出すのが次第に困難になってきました。これはコンテンツを記述するHTMLが情報の表示形式のみの規定が可能で、情報の内容(ある情報のうち、この部分は道路工事に関する情報であるとか、事故の情報であるとかというような意味付けを持った情報として)の定義できないため、コンピュータによって情報内容を整理・加工することが困難であるためであると言われております。
  XMLはHTMLが解決できなかった情報内容を利用者が自由に定義することを可能にし、それにより様々な利用者が自由に情報を交換し、効率的に情報を利用できることを目標とする次世代言語です。そして、XML標準化団体であるW3Cは、携帯電話、カーナビ、PDA、ノート型パソコンなどの機器にブラウザとして実装し、あらゆる通信網で使用ができるような規格作りを推進しております。
  このような特徴を持つXMLを交通分野で使用することで、以下のような新しい利点を生み出すことができるでしょう。
1.     道路情報、交通管理情報、緊急情報、気象情報、観光情報などをネット上に分散している情報を加工し、流通させることにより、カーナビや携帯電話など色々なメディアで情報入手が可能となり、安全性の確保や、渋滞の削減、商用車の運行効率の向上、快適な運転、交通と環境の調和などが実現できる可能性があります。    
2. 行政や民間企業にある様々な分野や領域で、多様な形式で表現される情報を容易に共有化し、利用者に提供することができます。
3. ネット上に流通している様々な情報を、個人の趣味、嗜好やそれぞれの利用場面、状況に応じて検索したり、各種情報を組み合わせて提供するといった加工が容易となることにより、情報の付加価値を高める新たなビジネスを生んだり、地域の振興を図る可能性を秘めています。
4. ソフトウェアやアプリケーションで業務の自動化が可能となります。データとして情報を定義できるため、HTMLと異なり情報の整理・交換ができ検索効率が上がります。その結果とし、情報が増えれば増えるだけ、検索された情報の価値が増えるといった好循環を生み出すことになります。
  しかし、XMLは各規格が制定されたものの、まだ周辺規格が拡張されつつある言語です。そして、実際にいくつかの機関で情報を交換しようとした場合には、交換する情報内容の規定など実運用に係わる課題を解決する必要があります。
  財団法人 道路新産業開発機構では、XMLの可能性に着目し、道路交通分野での新産業創出のためXML―Infoexchageを開設いたしました。このホームページでは、国内外のさまざまな分野でのXMLの利用動向を紹介したり、XMLの活用イメージなどの情報を発信することにより、道路分野での新たな産業のヒントになることを期待します。
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