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道路行政セミナー

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道路行政セミナー・8月号
ROAD ADMINISTRATION SEMINAR・2025 Aug

令和7年8月29日発行

INDEX
訴訟事例紹介

車両を停車させる際にはみ出ていた縁石に接触したことにより負傷したとして、国賠法2条1項等に基づき損害賠償請求がなされた事例
(令和2年11月12日 東京地方裁判所判決)
・・・国土交通省 道路局 道路交通管理課

TOPICS

県道 豊岡竹野線 城崎大橋架け替え事業について
・・・兵庫県 土木部 道路街路課

地域における道路行政に関する取組み事例
  • 「現場へ行こう!」
    ~四国の旬を特等席で~
    ・・・四国地方整備局 企画部
  • 鈴鹿亀山道路の整備について
    ~みんなでつくる鈴鹿亀山道路~
    ・・・三重県 県土整備部 道路建設課
  • 『観光地域振興無電柱化推進事業』を活用した伊勢市の無電柱化事業の取り組み
    ・・・伊勢市 都市整備部 基盤整備課

訴訟事例紹介

車両を停車させる際にはみ出ていた縁石に接触したことにより負傷したとして、国賠法2条1項等に基づき損害賠償請求がなされた事例
(令和2年11月12日 東京地方裁判所判決)
(PDF:242KB)

国土交通省 道路局 道路交通管理課

Point

 

【事案の概要】
 車両を道路脇に停車しようとしたところ、路肩側にはみ出ていた縁石に接触した事故について、道路の設置、管理又は保存の瑕疵があったとして、道路管理者に対し国家賠償法2条1項及び民法717条に基づき損害賠償請求がなされた。
(令和2年11月12日 東京地方裁判所判決)

【判決要旨】
・「営造物の設置又は管理の瑕疵」とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、営造物が通常有すべき安全性を欠くか否かは、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮し、具体的・個別的に判断される。また、民法717条1項が規定する「工作物の設置又は保存の瑕疵」とは、当該工作物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。
・路肩は、道路の主要構造部を保護し、又は車道を走行する車両の側方余裕を確保し、車道の効用を保つために設置されているものであって、車両が路肩部分を通常走行することは予定されていない。車両が一時的に路肩部分に進入し、路肩の左側端に沿って車両を停車させるような場合においては、車両の運転者は、自車と縁石との間隔に十分に注意を払いつつ相当速度を抑えて近寄ることが通常であるということができ、縁石ブロックの3cmほどの路肩側へのはみ出しがあったとしても、車両の運転者が通常の注意を払い、一般人の運転技術をもって運転操作を行いさえすれば、上記はみ出しに車両を衝突させる事故は生じ難い。
・したがって、本件道路が通常有すべき安全性を欠いていたということはできず、本件道路の設置、管理又は保存に瑕疵があったとみることはできない。

TOPICS

県道 豊岡竹野線 城崎大橋架け替え事業について(PDF:2,638KB)

兵庫県 土木部 道路街路課

Point

 県道豊岡竹野線は兵庫県北部を東西に結ぶ幹線道路で、城崎温泉へのアクセス道路として利用される重要な路線です。なかでも架橋から70年近く経過した城崎大橋は、老朽化に加えて狭小幅員などの課題を抱えており、兵庫県では架け替え事業を進めてきました。
 本稿では、事業の取組や整備効果について紹介します。

地域における道路行政に関する取組み事例

「現場へ行こう!」
~四国の旬を特等席で~
(PDF:4,671KB)

四国地方整備局 企画部

Point

 四国地方整備局では、担い手確保に向けた建設産業の魅力発進、社会資本整備の重要性の理解促進を目的とし、産官学で構成する四国建設広報協議会の関係機関にもご協力いただきながら、直轄工事現場以外も含めて、四国地方整備局管内の「旬な現場・施設」を紹介する特設サイト「現場へ行こう!」を運営中です。
 本稿では、当該事業の概要をご紹介します。


鈴鹿亀山道路の整備について
~みんなでつくる鈴鹿亀山道路~
(PDF:1,176KB)

三重県 県土整備部 道路建設課

Point

 三重県の鈴鹿・亀山地域の課題は、多数の大規模工場が立地する産業集積地であるものの、三重県の南北軸の高速ネットワークである東名阪自動車道や新名神高速道路へのアクセスが悪く、渋滞が頻発していることです。この課題を解消するため、鈴鹿亀山道路の整備を実施しており、今回、当道路事業を紹介します。


『観光地域振興無電柱化推進事業』を活用した伊勢市の無電柱化事業の取り組み(PDF:1,836KB)

伊勢市 都市整備部 基盤整備課

Point

 伊勢市は、三重県の中東部、伊勢平野の南端部に位置し、伊勢志摩国立公園の玄関口として豊かな自然と美味しい食材に恵まれ、歴史と文化に富んだ名所・旧跡も多く、魅力ある地域資源があふれています。また、古くから「お伊勢さん」「日本人の心のふるさと」と呼び親しまれてきた伊勢神宮を擁し、20年に一度の式年遷宮が行われる神宮御鎮座のまちとして栄えてきました。この神宮のおひざ元において、現在無電柱化整備を実施中であり、令和7年度中に完成を予定しておりますので紹介します。

編集後記

通勤電車の中で小説を読むことが多いのですが、車内で思わず涙を流してしまいそうになる本に出会いました。登場人物の気持ちや友人と交わす会話などの描写に心が揺さぶられる場面が多く、グッとくるたびに本を閉じ、気持ちを落ち着かせます。落ち着いたらまた読み始めるということを繰り返しており、なかなか物語が先に進んでくれません。

ほんの数年前の出来事ですが、人と会うことが制限され、食事を共にすることもままならなかった時期。終わりが見えない状況の中、ステイホームが推奨されるとともに、旅行や外食する人が非難され、「コロナだから仕方がない」と、いろいろなことを諦め、我慢をしてきたことが思い出されます。出会った本は、このような制限の多い環境の中、居住地や家庭環境の異なる中学生/高校生が、星空の観測を通じて、多感な時期を乗り越え、友情を育み、成長をしていく物語です。オンライン会議を通じて、学校の先生、他校の先輩や専門家に教えてもらいながら自作した天体望遠鏡を用いて、課題となる星を見つける速さを競う大会を催したり、遠く離れた友人たちと同じ夜空を見上げ同じ天体を観測していました。

わたしも、かつては星空を見ることが好きだった時期があり、河原など街の明かりが少ない場所に出かけて、星空や流星群などを観察していたことがあります。自宅でも観察できるようにと、天体望遠鏡が欲しいと思った時期もありましたが、高額なので手が出せませんでした。この物語では、自分たちで塩化ビニール管を切って削り、市販のレンズを使って天体望遠鏡を製作していました。すっかり大人になってしまいましたが、自作の天体望遠鏡で天体観測をしてみたいと思い、組み立てるだけの初心者向けのキットを入手してみました。しかしながら、天体観測は、想像以上に難しいようです。大きく明るい月は、比較的容易に導入(観測したい天体を望遠鏡の視野に入れること)できるようですが、慣れていない間は、木星や土星の導入も困難なようです。また、特定の星を観測してみようと思っても、星の位置がわからないことと、導入できたとしても地球の自転によって視野から外れてしまったり、図鑑のようには見えずに、せっかく買ったものの、使わなくなってしまう人も多いそうです。

常に真北を指し、見つけやすい星であることから、星座を探す起点とすることが多い「北極星」。ずっと変わることがないものと思っていましたが、数千年の周期で交代していることを知りました。現在は、こぐま座のポラリスが北極星です。今から約5000年前にはりゅう座のトゥバンでした。約2000年後にはケフェウス座のエライが新たに北極星の役割を任されることとなるようです。遥か昔や遠い未来のこととなりますが、現在と趣が異なる夜空を見上げる人に思いを馳せると不思議な気持ちになります。(U)


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(一財)道路新産業開発機構 松澤
TEL:03-5843-2911 Mail:RAseminar@hido.or.jp

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