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道路行政セミナー

最新号

道路行政セミナー・3月号
ROAD ADMINISTRATION SEMINAR・2025 Mar

令和7年3月27日発行

INDEX
高速道路会社の取り組み

道路情報提供アプリ「みちラジ」の紹介
・・・中日本高速道路㈱ 保全企画本部 交通課

訴訟事例紹介

工事中の道路でガードレールに衝突し車両が損傷したことについて、国家賠償法2条1項に基づき損害賠償請求がなされた事例
(平成30年11月7日仙台地方裁判所判決)
・・・国土交通省 道路局 道路交通管理課

TOPICSⅠ

道東自動車道(阿寒IC ~釧路西IC)が令和6年12月22日(日)に開通しました
~ 釧路と札幌が高規格道路で直結~
・・・国土交通省 北海道開発局 釧路開発建設部 道路計画課

TOPICSⅡ

災害対策や防災・減災対策に必要な緊急予算を支援
~「防災・減災対策等強化事業推進費」のご案内~
・・・国土交通省 国土政策局 地方政策課 調整室

地域における道路行政に関する取組み事例
  • 冬期における道路交通確保の取り組みについて
    ・・・国土交通省 北陸地方整備局 富山河川国道事務所
  • 主要地方道 大社(たいしゃ)日御碕(ひのみさき)線の道路崩落への対応について
    ―段階的な仮設道路の整備で孤立解消―
    ・・・島根県 土木部 道路維持課
  • 高津川流域における群マネの紹介
    ~群を束ねる~
    ・・・益田市 建設部 土木課 維持管理室

高速道路会社の取り組み

道路情報提供アプリ「みちラジ」の紹介(PDF:1,042KB)

中日本高速道路㈱ 保全企画本部 交通課

Point

 高速道路管理者として、時々刻々と変化する交通・気象等に関する情報を正確に収集し、高速道路を利用されるお客さまに対して、適時適切に提供することが求められている。中日本高速道路㈱では、スマートフォンを通じて、よりタイムリーに、かつきめ細やかにお客さまに情報提供することを目的として、道路情報提供アプリ「みちラジ」を開発し運用している。本稿ではみちラジの概要や機能について紹介する。

訴訟事例紹介

工事中の道路でガードレールに衝突し車両が損傷したことについて、国家賠償法2条1項に基づき損害賠償請求がなされた事例
(平成30年11月7日仙台地方裁判所判決)
(PDF:293KB)

国土交通省 道路局 道路交通管理課

Point

【事案の概要】
 工事中の道路で車線規制用ガードレールに衝突し車両が損傷したことについて、ガードレールの設置又は管理に瑕疵があったとして、道路管理者に対しては国家賠償法2条1項に基づき、工事施工業者に対しては不法行為に基づき損害賠償請求がなされた。
(平成30年11月7日仙台地方裁判所判決)

【判決要旨】
・営造物の設置又は管理の瑕疵とは、営造物が通常備えるべき性質又は設備を欠くこと、すなわち、本来の安全性に欠けている状態をいうものと解するのが相当である。
・本件事故現場においてバリケードとして使用されたガードレールは車線に対して約45度と基準の3倍もの急角度となっているばかりか、保安灯は設置すらされていない等保安施設の設置方法は、通行車両による衝突事故が生じる危険性の高いものといわざるを得ないため、道路管理者による公の営造物たる本件ガードレール等の保安設備の設置又は管理には瑕疵があるというべきである。
・工事施工業者は、工事を行うにあたり、一般の通行車両等に危険を及ぼさないようにすべき義務を負うものと認められるが、本件事故現場には、保安灯などが設置されておらず交通事故を生じさせる危険があったにもかかわらず、第2車線上に車線に対して約45度という急角度で本件ガードレールを設置して、車線制限をしたものであるから、上記の義務に違反したものというべきであり不法行為責任を負う。
・車両運転者にも前方不注視、速度超過違反の過失に加え、職業運転手であり事故現場付近を複数回にわたり通行し、道路が複雑な状況になっていたことを認識していた等の事情を考慮すると、運転者の過失割合を4割と認めるのが相当である。

TOPICSⅠ

道東自動車道(阿寒IC ~釧路西IC)が令和6年12月22日(日)に開通しました
~ 釧路と札幌が高規格道路で直結~
(PDF:6,709KB)

国土交通省 北海道開発局 釧路開発建設部 道路計画課

Point

 北海道の東西を結ぶ「道東自動車道」。北海道開発局が整備を進めてきた本別~釧路のうち阿寒 IC から釧路西 IC までの区間(延長 17km)が令和 6 年 12 月 22 日に開通し、釧路と札幌がついに高速道路で直結しました。本稿では工事状況や開通式典、開通による効果などについて紹介いたします。

TOPICSⅡ

災害対策や防災・減災対策に必要な緊急予算を支援
~「防災・減災対策等強化事業推進費」のご案内~
(PDF:2,287KB)

国土交通省 国土政策局 地方政策課 調整室

Point

 防災・減災対策等強化事業推進費は、年度当初に予算計上されていない公共事業に対して、緊急的かつ機動的に予算を配分し、防災・減災対策等を実施するものであり、「災害対策事業」、「公共交通安全対策事業」、「事前防災対策事業」に活用できます。
 令和7年度の募集にあたり、概要、募集スケジュール、活用事例等について紹介します。

地域における道路行政に関する取組み事例

冬期における道路交通確保の取り組みについて(PDF:6,029KB)

国土交通省 北陸地方整備局 富山河川国道事務所

Point

 国土交通省北陸地方整備局富山河川国道事務所では、通年の維持管理に加えて、除雪作業等の冬期特有の道路交通確保の取り組みを実施しています。本稿では、富山河川国道事務所における除雪の態勢・関係機関との連携・予防的通行規制・道路利用者に向けた広報の工夫・担い手の確保等に関する取り組みや課題についてご紹介いたします。


主要地方道 大社(たいしゃ)日御碕(ひのみさき)線の道路崩落への対応について
―段階的な仮設道路の整備で孤立解消―
(PDF:4,961KB)

島根県 土木部 道路維持課

Point

 令和6年7月9日から11日にかけて、山陰沖に停滞した梅雨前線の影響により、島根県東部を中心に発達した雨雲が次々と流れ込んで、記録的な大雨となり、主要地方道大社日御碕線の道路が崩落し、半島部の日御碕地区が一時孤立状態となりました。地形的な制約等により、一般車両の通行が可能となる仮設道路を早期に整備することは困難であったため、段階的に整備することとしました。本稿では、被災時の状況や当該事業概要についてご紹介します。


高津川流域における群マネの紹介
~群を束ねる~
(PDF:1,997KB)

益田市 建設部 土木課 維持管理室

Point

 益田市では、既存の行政区域にとらわれず、広域的な視点で道路、公園、上下水道などの多分野にわたるインフラを「群」として捉え、更新、集約・再編、新設を組み合わせて検討し、効率的かつ効果的に、地域に必要なインフラの維持管理を可能とする「地域インフラ群再生戦略マネジメント(以下、群マネ)」を推進しています。本稿では、高津川流域における群マネについてご紹介します。

編集後記

数日の間、職場にて、一部の水道が利用できない事象が生じたため、昼食時、割り箸を利用することとなりました。使い捨ての食器や食具を利用することは、環境に良くないと言われることが多く、昨今の持続可能な社会を目指す取り組みから逸脱してしまうようで、心配がついてまわります。一方で、使い捨ては、本当に環境に悪いのがどうか、釈然としない気持ちもあります。水が大変貴重である国(もしかしたら地域)では、食器や食具は洗わずに、捨てる習慣があると聞いたことがあり、国や地域の事情によって異なる課題なのではないかと思うからです。これからも割り箸を利用する機会は必ずあるので、今後の心配を払拭すべく、調べてみることにしました。

割り箸の歴史は古く、弥生時代末期の遺跡より、木や竹を曲げたピンセット状の折箸が出土しており、神器として扱われていたのではないかと考えられています。南北朝時代には、杉を利用した杉箸が天皇に献上された記録があり、当時は、宮廷や位の高い人が利用していたようです。庶民の間で使われるようになったのは、屋台文化が発展した江戸時代からとなります。この頃の割り箸は、再利用されていたようですが、洗浄の手間を省くとともに、来店したお客様に清潔であるという安心感を伝えるため、未利用であることが一目でわかる引裂箸(ひきさけばし/対になる箸の根元がくっついている形状の箸)が誕生しました。

明治や大正の頃になると、節が少なく木目が細かく、水が漏れにくいという特性を有している杉材の酒樽が重宝されるようになりました。その端材を捨ててしまうことを惜しんで、割り箸が作られるようになったそうです。このような経緯から、わが国の割り箸は、建材などを切り出した後の端材や残材、森林整備で生じた間伐材などが利用されています。森林の恵みを余すことなく活用するという知恵の産物であり、決して環境に悪いものではなさそうです。一方で、外国で作られた割り箸の一部には、そのためだけに木の伐採が行われていることもあるようです。

週末、関東以西では、あちらこちらでお花見のイベントが開催されることと思います。野外での飲食となることも多く、割り箸の出番です。週末にお花見をする予定がありますので、先人たちの知恵に感謝しながら、割り箸を使って、美味しいものを食したいと思います。ちなみに、引裂箸は、水平方向にして割ると左右対称にきれいに割ることができるとのこと。わたしは、左右対称に割れたためしがないので、実践してみたいと思います。(U)


お問合せ窓口

(一財)道路新産業開発機構 松澤
TEL:03-5843-2911 Mail:RAseminar@hido.or.jp

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