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研究・各種会議

調査研究のあゆみ – 平成21年度 –

道路の新たな利活用に関する調査研究
~多様化する利活用ニーズの実現に向けて~

近年、地域活性化やまちづくり、情報化社会の推進などにおいて、道路に対するニーズが高まるとともに、道路空間等の多様な利活用の促進が求められており、国においてもこれらのニーズに対応した様々な施策の展開が図られている。
当機構においては、これらの状況を踏まえて、平成19年11月、学識経験者、会員等で構成する「新道路利活用研究会」を設置し、道路や沿道空間等に対するニーズの顕現化を図り、実現化に向けてこれを加速させるような方策を検討した。
研究会には、類型別テーマを具体的に検討する3つの部会(うち1部会は、より詳細なテーマに対応する2分科会で構成)を設けているが、このうち、2つの部会において検討結果をとりまとめた。

余震下の災害復旧活動に資するポータブル地震警報システムの開発

当機構では、余震活動が活発な機関における現地作業員の安全性確保に資する地震警報システムの開発に平成19年度から取り組んでいる。
本調査研究では、ポータブル地震警報システムの開発コンセプト、基本仕様及び実証実験の途中経過について整理を行った。
性能検証では国土技術総合政策研究所との共同実験を実施し、強震計との波形周期の近似性の高さを確認した。なお実験期間中に発生した地震の規模は小さく、本システムが対象としている地震規模ではなかったため、引き続き実証実験を継続し、検証を進めていく。

地域の連携等による道路の整備・管理のあり方に関する調査研究

近年の社会・経済を取り巻く環境変化により、道路行政サービスに対するニーズが多様化し、より高度なサービスが求められている。そのような中、ITSは道路交通のインテリジェント化を出発点としてきたが、ITの進展に伴い現在ではその裾野がはるかに拡大している。
本調査研究では、道路の利活用や市民生活への貢献の視点から、地域との連携による道路の整備や管理に関するビジネスモデルの検討に取り組み、地域連携の考え方を整理するとともに、事例として駐車モデルを取り上げ、「豊田氏における荷さばき駐車システム」と「首都高におけるスマートPA」の事例について整理を行った。

5.8GHZ帯DSRCビーコンによる車両挙動情報の活用
~プローブ情報の活用と異常走行の検証~

積雪寒冷地における通行止めの削減と安全運転支援を目的に、5.8GHZ帯ビーコンにアップリンクされる車両挙動情報(プローブ情報)を活用し、異常走行の検知について実証実験した。その結果、左右加速度などプローブ情報により車両の異常走行を検知できる率は高いこと、蓄積タイミングや左右加速度の閾値に工夫が必要なことなどが判明した。本文では実験成果の考察、課題等を報告する。

全国のDSRC社会実験

先進的なITS技術を用いて多様なサービスを組み込んだ次世代の道路「スマートウェイ」の開発・促進の取組みとして各地で社会実験がすすめられている。本文では、平成19年度の首都高速道路における公道実験および平成20年度に京阪神地区地区など全国規模で実施された公道実験の内容について概要を紹介する。

DSRCサービス普及促進への取り組み

我が国では、これまで先進的なITS技術を用いて多様なサービスを組み込んだ次世代の道路「SMARTWAY」の推進に取り組んでいる。「SMARTWAY」では、2006年の筑波テストコースにおける「スマートウェイ公開実験デモ2006」、2007年の首都高速道路における「SMARTWAY2007デモ」、2008年のスマートウェイ試行運用及び各地域での大規模実証実験を経て、2009年4月から本格運用が開始となった。
当機構ではその活動を支援しており、本調査ではその実現に向けた取り組み概要を紹介した。今後のDSRCサービスの普及展開に向けた取り組みとしては、「道路構造」「情報提供技術」「利用者視点でのサービス評価」の視点より、普及展開を見据えた最適なシステム内容とは何かを検討し、普及展開に向けての課題とその解決策を検討する。

日本橋都市再生事業への取り組み
(地下歩行空間拡幅の整備効果)

日本橋は、五街道の起点と定められて以来、交通、経済、文化の要衝としての役割を果たしており、現在でも日本国道路標は日本橋にあることからも、日本橋地区が歴史的に我が国の都市における重要な位置を占めている。しかし近年では沿道事業者の撤退等の影響により、これまでの賑わいを失いつつあることから、周辺地区では沿道の再開発や建て替えが進行し、首都高速道路の地下化構想、地元による都市再生の機運が高まっている。
本調査では、平成13年度より実施されている日本橋都市再生事業の一環である地下歩行空間の整備にあたり、沿道開発と道路地下空間の一体整備の実施に向けた検討を行うと共に、既存の地下空間の地域情報発信等の利活用についての検討、地下空間に必要な機能から派生する効果項目及び評価指標を体系的に整理し、効果の定量化、便益に関する検討を行った。

日本風景街道の概要と新たな展開

日本風景街道は、道路ならびにその沿道や周辺地域を舞台に、多様な主体による協働のもと、景観、自然、歴史、文化等の地域資源や個性を活かした国民的な原風景を創成する運動を促し、観光振興や地域活性化に寄与することを目的とした取り組みであり、現在では107箇所もの風景街道が登録されている。
本調査では、登録された風景街道の活動を維持し、継続させていくためには、かつ同上の悩みや課題を的確に把握し、それらに対応した支援策を立案するとともに、継続化へ向けた具体的な方策を立案することが重要であると考え、支援メニュー策の提案と日本風景街道の新たな展開に向けた取り組みを実施した。

道路の新たな利活用に関する調査研究
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